コラム
機械エンジニアにおすすめの資格はなに?仕事に求められるスキルや経験

機械エンジニアは、21世紀の産業界において欠かすことのできない存在となっています。
機械の設計から製造、運用、管理に至るまで、幅広い知識と技術が求められるこの分野で成功するためには、何が必要なのでしょうか?この記事では、機械エンジニアとしての役割や求められるスキル、おすすめの資格について解説します。新たなキャリアを築く一歩として、ぜひお役立てください。
目次
どんな仕事をするの?機械エンジニアとは
機械エンジニア(メカニカルエンジニアとも呼ばれる)とは、機械の動きを具現化するメカニズムの設計をする仕事のことです。「機械系」と「電気系」の両方を担当するエンジニアは、機電系エンジニアと呼ばれることもあります。機械エンジニアの業務範囲は広く、単なる機械類の設計だけにはとどまりません。機械の製作・設置・運用・管理、あるいは機械類に関する提案や選定にまで及びます。また、近年における機械エンジニアの仕事では、仮想空間での製造工程の構築や、製造行程や製造物に対するシミュレーション、製造物の解析といった、ITが関わる業務が増えています。
どんな人が求められる?機械エンジニアに役立つ「専門知識」「スキル」「経験」
機械エンジニアには幅広い専門知識やスキル、あるいは経験などが求められます。以下において、その例をいくつか挙げてみましょう。
CADやCAEのスキル
機械エンジニアは製品やシステムの設計を行うため、機械設計の基礎知識が必要不可欠です。特にCAD(Computer-Aided Design)を使った、3Dモデリングや図面作成の経験は大変役にたちます。また、シミュレーションと解析をするためのCAE(Computer-Aided Engineering)のスキルも重要です。これにより、製品の性能や挙動を評価できます。
材料に関する専門知識
機械エンジニアは、金属・プラスチック・セラミック・複合材料など、さまざまな材料の特性や適用範囲を理解しておく必要があります。また、強度・硬さ・耐熱性・耐腐食性など、材料の特性に関する知識が求められます。これらの専門知識を用いることで、製品の寿命や性能を、より最適化することができるからです。なお、 使用する材料を選ぶ際には、目的や環境に応じた適切な材料を判断する能力も必要です。
製造プロセスに関する専門知識
機械エンジニアには製造プロセスに関する専門知識が求められます。例えば、切削・成形・鍛造・溶接・接着などの加工方法の専門知識は有用です。製品が設計通りの仕様を満たしているかを調べるための、製品精度の知識や品質管理の専門知識も大切です。また、製造プロセスを最適化させるための、工程管理の専門知識もあるとよいでしょう。
電気に関する専門知識
機電系エンジニアは電気や電子技術にも精通している必要があります。回路設計や電気制御の専門知識が求められます。くわえて、電子部品の取り扱いの経験があるとよいでしょう。
プロジェクト管理の経験
大規模なプロジェクトでは、プロジェクト管理の経験が求められます。特に、スケジュール管理と予算管理の経験、およびリーダーシップの経験は機械エンジニアにとって重要な経験といえます。
コミュニケーションスキル
機械エンジニアの仕事はチームで行うことがほとんどです。また、クライアントとのコミュニケーションも欠かせません。そのため、コミュニケーションスキルは必須といえます。
資格は必要?機械エンジニアに(機電系エンジニア全般)おすすめの資格5選
機械エンジニアになるためには専門資格が必要だと思っている方は少なくありません。ですが、機械エンジニアになるのに、資格は必要ありません。ただし、次のような資格を取得しておけば、機械エンジニア(機電系エンジニア全般)への転職に役立つでしょう。
機械・プラント製図技能検定
「機械・プラント製図技能検定」は、中央職業能力開発協会が実施する国家資格です。機械やプラントの設計に必要なスキルを包括的に評価してくれます。試験は1級から3級まであり、受験には各等級ごとの実務経験が必要です。ただし、3級は学生や職業能力開発施設の受講者などは実務経験なしで受験可能です。3級合格で2級試験が受験できます。機械エンジニア志望者は取得しておくことをおすすめします。
技術士(機械部門)
「技術士(機械部門)」は国家資格の1つです。実施機関は日本技術士会です。技術士の資格試験はさまざまな分野に分けられており、その中の1つに「機械分野」があります。この資格を取得すれば、機械エンジニアとして必要な高度なスキルを保持していることが証明できるでしょう。試験は第1次と第2次試験の2回です。なお第2次試験受験を受験するには、第1次試験の合格しなければなりません。あるいは、指定教育機関において教育課程を修了させた後、一定の実務経験を積む必要があります。
CAD利用技術者試験
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する、CADのスキルを証明する試験です。機械エンジニアにはCADのスキルは不可欠といえるでしょう。この資格を取得しておけば、CADスキルが身に付いていることが証明できます。試験は「2次元CAD」と「3次元CAD」の2種類があります。機械エンジニアを目指す方は、両方の取得を目指すとよいでしょう。なお、いずれの種類も、基礎・2級・1級の3段階となっています。まずは難易度の低い基礎から受験することをおすすめします。
機械設計技術者
「機械設計技術者試験」とは、機械設計の技術を認定する資格です。構想図や設計図の作成スキル、物理学の知識など、機械エンジニアに必要な知識が備わっていることを証明してくれます。試験は1級から3級まであり、2級以上の受験には一定の実務経験が必要です。
オートデスク認定資格プログラム
「オートデスク認定資格プログラム」は、AutoCADなどのオートデスク製品を用いた、CADスキルを証明する制度です。AutoCADは世界で最も利用されているとされるCADソフトウエアです。また、多くのCADソフトウエアがAutoCADに準拠しています。機械エンジニアとしての転職を考慮するなら、AutoCADのスキルをアピールするのは、有効であるといえます。
オモシゴジャーナル調査結果紹介
オモシゴジャーナルでは、製造業の中核を担う30〜49歳の技術職413名を対象に資格に関する調査を実施しました。
技術者としてのキャリアを築くためには、専門的な資格取得だけでなく、新技術の習得や人脈作り、自己PRのスキルも重要です。特に、製造業の技術職では「技術士」や「電気工事士」などの資格が求められることが多いですが、ITスキルやプログラミング能力も必要とされています。
製造業の中でも、機械設計や生産技術職など、専門分野に応じた資格とスキルが求められることが多いです。例えば、機械設計職では「3Dプリンター活用技術検定」が、生産技術職では「第一種電気工事士」などが推奨されています。
ただし、資格取得だけがすべてではありません。常に進歩する技術を学び、人脈の構築、そして自分のスキルや経験を培っていくことが大切です。資格はあくまでひとつのステップとして、継続的な努力が技術者としての成長へとつながるでしょう。
機械エンジニアのキャリアパス
機械エンジニアとしてのスキル取得は一定の年月がかかり、10年かかると言われています。この間に、設計、材料、機械加工、製造プロセス、電気など幅広い専門知識を取得し、工程も企画から現場設置までの一連を経験しておくと、先々のキャリアパスが大きく広がります。
また、機械だけでなく、制御、PLC、プログラミングなど周辺の技術についてもある程度自分で手を動かせるようにし、コアスキル=機械、サブスキル=制御 等となれば、技術者として市場価値は非常に高くなります。特にIoT関連機器の設計をする上では、上記の技術が絡むことが多いため、習得しておくと非常に役立ちます。
ご紹介した資格は、そうしたステップを踏む中で積極的に学んで活用していくと良いでしょう。
まとめ
機械エンジニアの役割は、単に機械の設計だけでなく、製造、運用、管理など多岐にわたります。
この分野では、CADやCAEのスキルや材料に関する専門知識、製造プロセス、電気に関する知識など幅広い専門技術が求められるため、資格は必須ではありませんが、機械設計技術者やオートデスク認定資格プログラムなどの資格が転職に有利に働くでしょう。
特にCADスキルは、現代の機械エンジニアにとって不可欠なものであり、これらの資格取得は強くおすすめします。
制作協力:オモシゴジャーナル編集部
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