コラム

品質保証の年収・給料はどれくらい?業界の相場や平均金額を解説

品質保証の仕事は、高い専門知識と厳密な視点、そして細心の注意が求められる職種です。

そのため、「興味はあるけれど、実際には難易度が高いかもしれない」と感じている人もいるでしょう。しかし、製品やサービスの品質を保証し、その結果として消費者の信頼を獲得できるというやりがいと達成感があるため、品質保証の仕事に魅力を感じている人も多いです。

この記事では、品質保証の仕事の年収や給料、その業界の相場や平均金額について詳しく解説します。


品質保証の仕事とは?

品質保証の仕事は、食品や化粧品、機械などの製造業、さらにはソフトウェアなどシステム開発の分野においても欠かせない仕事です。

製品やサービスの企画から販売後のアフターサービスまで、製品やサービスにおける全ての工程に関わる仕事であり、企業の信用に大きく関わる仕事として大きな役目を担っています。企画、開発、量産など、それぞれの過程で品質検査を行う必要があるため、その業務内容は多岐に渡ります。

仕事内容

品質保証の仕事内容は、文字通り、製品やサービスの品質を保証するのが主な仕事です。原材料の仕入れ段階から品質管理を行い、定められた規定値を満たした安全なものであるかをチェックします。

製造時や出荷時の品質管理はもちろん、納品後の製品についても、顧客へのヒアリングを行って顧客満足度調査を実施したり、クレーム対応を含めた顧客対応を行ったり、トラブルの実態調査や再発防止対策、品質改善に至るまで、長いスパンで製品の状態を保証する仕事です。

品質保証は製造業において欠かすことのできない職種であり、企業の価値や信頼を守るという重大な責任を負います。

品質保証の年収について

品質保証の仕事を目指すなら、年収も気になるところでしょう。職種や経験年数、保有資格によって年収は大きく変動します。

品質保証の平均年収は456万円

求人ボックス給料ナビのデータによると、品質保証の給与は正社員で平均年収456万円です。一方、国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年の日本人の平均年収は443万円でした。

これらのデータを見ると、品質保証の年収は日本の平均年収と比べて全国的に高い水準にあることが分かります。高い専門性が求められ、製造において広範囲の領域を網羅する仕事であることから、給与の水準も高い傾向があると考えられます。

年収の幅は広く、持つスキルによって高年収も目指せる

品質保証の給与分布を見てみると、ボリュームゾーンは402~476万円ですが、給与の幅が328~921万円と広いことが分かります。品質保証の主な就職先としては化粧品、食品、医薬品、化学、医療機器、といったメーカー各社、商事会社などが挙げられます。

業種によって年収も異なるため、所属企業や持つスキルによって高年収も目指せるということが分かるでしょう。

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地域による特徴:関東・関西ほか

全国的に見ると、東京が最も高く、地方でも一部の地域で高い年収が見られます。ここでは、関東、関西を中心に、地域ごとの年収やその特性をみていきましょう。

平均年収が最も高いのは東京

地域別に年収を見てみると、平均年収が最も高いのは関東で、480万円です。中でも東京都は平均年収が549万円と、全国的に見ても高い水準であることが分かります。続く千葉県も519万円と高い水準です。

地方においても平均年収は高い水準にある

関西では平均年収は465万円と下がるものの、日本の平均年収である443万円より高い傾向にあります。中でも奈良県は492万円と関西圏内でも高い水準です。また、中国・四国地方の品質保証の平均年収は466万円ですが、山口県の平均年収は524万円と、東京都に次ぐ年収の高さが特徴です。メーカーの工場の多くは地方に点在しているため、首都圏においても地方においても、品質保証の平均年収は高い水準にあると言えるでしょう。

地域限定職の場合は、年収が低めに設定されているケースも

企業によっては、品質保証の職務を担う技術系職種の採用は、「総合職」と「地域限定職」に分かれていることも少なくありません。全国転勤を前提とした総合職に対し、地域限定職は勤務地が限られており、全国的な転勤がない職種です。転勤を前提とするため、総合職の方が一般的に給与が高く、地域限定職の場合は給与が低めとなっているケースも多いでしょう。そのため、地方における平均年収が低くなっている可能性も考えられます。

年収をアップさせるには?

品質保証の年収をアップさせる方法はいくつか存在します。そこで、具体的な年収アップのためのアプローチについてみていきましょう。

固定給が基本

品質保証の仕事は、営業とは異なり数字による評価が見えにくいため、個人差が出にくいと言えるでしょう。インセンティブなどで収入を上げることは難しく、収入は固定給が基本で、資格やスキルによって差がつくことも少ないでしょう。基本的に年功序列で給与が上がっていきます。ただし、管理職になると収入も格段に上がるでしょう。

転職によって年収アップも

品質保証の仕事は多くのメーカーで必要とされる職種です。食品、化粧品、医薬品、さらには機械や電気・電子など様々なメーカー、さらには商事会社からも求められる職種であり、他の業種の品質保証に転職することで年収アップを実現できるでしょう。企業の規模や業種によって年収の幅は大きく異なります。中小企業などでは昇給の上がり幅が少ないケースも少なくありません。年収アップのために、規模の大きな会社を中心に転職を検討してみるのも一つです。

管理職や海外勤務になると年収はアップする

品質保証のスペシャリストの採用に力を入れている企業も多く、これまでの経験やスキルを生かして品質保証部門を率いていく立場として転職することで、年収が上がる可能性も高まります。さらに、海外に工場を持つ国内企業も多く、そうした企業に転職し、海外拠点での品質保証の仕事につくのも年収アップに繋がります。

年収アップのための2つのポイント

転職は年収アップのための一つの方法ですが、有利な条件で転職する上で、押さえておきたい2つのポイントがあります。

ひとつは、ISO(国際標準化機構)規格の認可申請に携わったことがある、またはISO規格を管理運用していた経験があるかです。ISO規格を取得することで、正しい経営をしていることを証明するものになり、対外的に大きな信頼を得られます。新たにISO認証を受けようと考える企業も多いため、ISOに関する実務経験があると転職にも有利でしょう。

もうひとつは、外国語のスキルです。メーカーによっては海外に製造拠点が置かれていることもあります。そのため、現地と直接やりとりできる言語スキルが求められます。英語や中国語、アジア圏の言語などが話せると優遇されるでしょう。

品質保証キャリアアップのポイント

品質保証職としてキャリアアップするためには、業務の専門知識の習得をしていくことがポイントになります。若手の方であれば、まずは基本的なデータ分析、故障解析、トラブル対応を着実にできるようになる。

その後、より複雑なデータ分析や統計的品質管理、ISOの知識と実装スキル習得、プロジェクトへの参加経験を積む。この位のレベルになれば、年収400万円前半~600万円位までにすることも可能です(但し会社規模や業種に影響されます)。

そして、品質保証戦略の策定や、組織全体の品質保証プロジェクトへの参画、海外に拠点がある会社であればグローバルレベルでの品質保証業務の経験を積むことで、年収で言えば600~800万円位。

これらの経験を積んだ上で、マネジメント職ないしエキスパート職になれば、年収800万円以上も可能になるでしょう。

また、転職をすることでキャリアアップを目指す場合、こうした業務スキルだけでなく、どういう製品を経験するかも重要です。

電子部品の品質保証を一例に挙げると、抵抗器やトランジスタなどは汎用的な用途が多く、手法も標準化されたものが多くなりますが、センサーのように特定にアプリケーションに組み込みカスタマイズするものだと、多岐にわたる知識や技術が要求される傾向があります。

これにより、身に付くスキル、得られる年収が変わってくることを考慮すべきでしょう。

まとめ

品質保証の仕事は、製造過程の全てに関わり、納品後のサポートまで担う仕事です。企業が提供する製品やサービスの品質を担保するという、企業の信用にも関わる仕事のため、大きな責任が伴います。

そのため年収も一般的に高い水準にありますが、固定給であり、年功序列の昇給しか望めないことがほとんどでしょう。さらなる年収アップを目指すのであれば、転職がおすすめです。

メーカーにとって欠かせない品質保証は様々な業種で求められるため、自分の経験やスキルを生かして、さらなるキャリアアップを目指してみるのも良いでしょう。

 

制作協力:オモシゴジャーナル編集部

 

 

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