コラム
CADソフトの選定基準は?自社に合ったソフトやメーカーの選び方を解説

仕事でCADを使わなければいけないのに、CADを使用した設計に慣れていない、もっと使いやすいCADソフトを探している、という人もいるのではないでしょうか。
また、転職を考える際、志望する企業でどういうCADソフトを使っているかで、設計業務のやりやすさが変わってくるものです。
そのような時は、それぞれのCADソフトの特徴や機能に注目して、ご自身にとって設計しやすい製品を選びましょう。
ここでは、仕事で使いやすいツールを探している人のために、CADソフトを選ぶための基準やポイントについてご紹介します。
目次
CADソフトとは
CADソフトは、Computer Aided Designの略で、設計図の作成や編集をコンピュータ上で行うためのソフトウェアです。CADソフトを利用することで、従来の手書きによる設計図作成よりも、より迅速かつ正確な設計図を作成することが可能となります。
利用方法としては、CADソフトを使用してコンピュータ上で設計図を作成し、必要に応じて修正を行うことができます。また、作業の過程や修正履歴を記録しておけるため、後から確認する際にも役立ちます。
CADソフトのメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
迅速かつ正確な設計図作成が可能
CADソフトを利用することで、従来の手書きによる設計図作成に比べ、時間を短縮することができます。また、微細な修正も精密に行うことができ、より正確な設計図を作成することができます。
設計図の管理が容易
CADソフトを利用することで、設計図の管理が容易になります。コンピュータ上で図面を管理できるため、印刷にかかる時間やスペースの問題を解消することができます。また、作業の過程や修正履歴も記録しておくことができるため、必要に応じて確認することができます。
設計図の共有が簡単
CADソフトを利用することで、設計図を簡単に共有することができます。インターネットなどのネットワークを介して、遠隔地にいる人とも設計図を共有することが可能です。
CADソフトは、設計図作成に欠かせないツールの一つです。上手に活用することで、より迅速かつ正確な設計図を作成することができます。
CADソフトの種類
CADソフトは、2DCADと3DCADという2種類の製品が販売されています。それぞれ特徴が異なっているので、使用する目的に合わせて、最適な製品を選ぶことが必要です。
2DCAD
2次元の設計図を制作するために使用できるのは2Dのcadソフトです。2DCADは使いやすいので、図面の制作をおこなう多くの企業で使われています。複数の方向から見た図面を作成して設計することが、2DCADの特徴です。ですが、2DCADで制作された図面の内容を理解するためには、図面の読み方に関する知識が必要になります。
3DCAD
3DのCADソフトを使用すれば、3次元の設計図を制作できます。3DCADソフトを使用して設計図を制作することのメリットは、完成した設計図を読み取るための知識が必要ではないことです。図面を3Dのグラフィックでパソコンの画面に表示できるので、図面の知識を持っていない人でも、図面の内容を簡単に理解できます。
近年の3DCADソフトは、使いやすさに特化したものが増えており、操作が簡単で使いやすいことが特徴です。また、3DCADソフトを使用する企業の数は、日本でも着実に増加しています。3Dプリンターが市販化されたことも、3DCADを利用する企業が増えた理由の一つです。有料版の製品だけでなく、無償で使用できる3DCADソフトも開発されており、個人でもクオリティの高い設計図を作成できます。
ただし、3DCADソフトは2DCADよりも操作方法が複雑なため、使い始める際には学習コストが必要です。3DCADソフトの操作方法に熟練している人材は、需要が高く、市場価値が高い傾向にあります。
CADソフト選びの基準とは?
CADソフトを選ぶ時にはさまざまな基準を考慮することが必要です。ここでは、このような基準をご紹介します。
図面の作りやすさ
CADソフトを選ぶ時に特に重視しなければいけないことは、図面の作りやすさです。作りやすいソフトを探す時に考慮した方が良いのは、設計する製品の種類です。製品の種類によって作りやすいCADソフトも変わるので、設計のために最適なソフトを選ぶ必要があります。設計する製品の種類によっては2DCADの方が図面を作りやすい場合もあるので、十分に検討してから製品を選んでください。
利用できる機能
図面を制作するために利用できる機能も、CADソフトを選ぶ時に考慮した方が良いことです。2DCADにも3DCADにも、さまざまな図面制作のための機能が搭載されています。特定のメーカーが開発した製品にしか搭載されていない、特別な機能もあります。優れた機能を搭載しているCADソフトならば、正確な図面を短時間で作成することも可能です。
サポートが充実しているか
CADソフトを購入する際には、利用者をサポートするための体制も重要な基準になります。販売しているメーカーによって購入者に対するサポート体制は異なるので、できるだけしっかりとしたサポートを提供している会社を選んだ方が、CADソフトを安心して使用できます。土日や夜間にもサポートをしているメーカーのソフトを使えば、時間を気にせずにいつでも設計の作業ができます。
自社に合ったCADソフトの選び方
企業が自社に合った最適なCADソフトを使用したい場合にも、正しい選び方を知っておくことが必要です。ここでは、企業が自社に合ったCADソフトを選ぶ際のポイントをご紹介します。
コストをかけずに使用できるか
企業が図面を作成するためにCADを使用したい場合には、ソフトの使用に必要となるコストを考慮することが重要です。市販されているCADの中には、購入時以外にも費用がかかるものもあります。メンテナンスのための費用を支払わなければいけないCADもあるので、こうしたソフトを購入した場合には、使用のためのコストもその分多くかかります。CADソフトによっては、追加でデータを購入しなければいけないこともあり、このような製品を購入した場合にもコストは高額になります。メンテナンスなどのサービスを無料で利用できるCADソフトを選べば、多額のコストをかけずに使用できます。
見積書の作りやすさ
企業が自社に合ったCADソフトを選びたい時には、見積書の作りやすさも重要なポイントです。顧客から依頼を受けて製品の制作をしている会社の場合には、特にこうした機能は重要です。市販されているCADソフトの中には、製品を設計するための機能だけではなく、完成した図面から自動的に見積もりができる機能が搭載された製品もあります。こうした製品を使用すれば、見積書を制作するためにかかる時間も短縮できるので、仕事を依頼した顧客に短時間で見積書が提出できます。
おすすめのソフト
オモシゴジャーナルが2023年6月に技術職の会社員約300名に実施したアンケートをもとにおすすめのCADソフトをご紹介します。
- 3DCAD
AutoCAD Plus(オートデスク株式会社)
AutoCAD Plusは、2D・3DのCADデザインが可能なソフトウェアです。高度なカスタマイズ機能と強力なAPIを備え、ユーザーのニーズに合わせて設計作業を最適化することが可能です。また、クラウドとの連携により、いつでもどこでも作業を行うことができます。
CATIA(ダッソー・システムズ株式会社)
CATIAは、3D CAD製品で、パラメトリックパーツモデリング、アセンブリモデリング、スケッチ、コラボレーション、板金モデリングなどの機能を備えています。特定の部品の寸法値を変更した際に、関係する他の部品の寸法や形状が自動的に変更されます。また、製品設計を他のメンバーと共有し、全体的な設計を改善するための検討/提案などを行いながら編集を実施できます。
Fusion 360(オートデスク株式会社)
Fusion 360は、3Dモデリング、CAM、シミュレーション、レンダリングなどを一つのプラットフォームで提供するソフトウェアです。AIによる自動設計提案や、事前の設計検証によるミスの低減、クラウドを介したコラボレーション機能など、製品設計から製造までの一連のプロセスを効率化します。また、主なCADフォーマットを読み込み・編集可能で、スマホ・モバイルデバイスでも3Dモデルのレビューが可能です。
-
2DCAD
AutoCAD (オートデスク株式会社)
AutoCADは、2D図面作成に特化したCADソフトウェアです。高度な描画ツールと豊富な図面作成機能を備え、建築、機械、電気などの各種業界で広く利用されています。また、DWGフォーマットの高い互換性や、クラウドストレージとの連携によるリモートアクセス、モバイルデバイスでの利用など、柔軟な作業環境を提供します。
Jw_cad (jwcad)
Jw_cadは、Windows環境で動作する2D CADソフトウェアです。初心者でも扱いやすいシンプルなインターフェースと、基本的な図面作成機能を備えています。また、Jw_cadはフリーソフトウェアであり、誰でも無料で利用することができます。さらに、Jw_cadは日本製のソフトウェアであり、日本の建築基準に合わせた図面作成が可能です。
NX (SIEMENS)
NXは、SIEMENSが提供する高度な3D設計ソフトウェアです。製品のライフサイクル全体をカバーするための機能を提供し、設計から生産まで一貫した作業フローを実現します。また、NXは複雑な形状のモデリングや大規模なアセンブリの管理も可能で、自動車や航空機などの高度な製品設計に広く利用されています。
CADソフトを扱う仕事に興味がある方必見!転職相談会を開催中!
CADソフトを扱う仕事は、建築や製造業界など多岐にわたります。例えば、建築設計事務所での建築図面の作成や、自動車メーカーでのパーツの設計、3Dプリンターでの立体造形物の制作などがあります。 CADソフトを使った仕事は、正確さやスピードが求められる分野です。また、最新の技術を取り入れたり、創造的な発想が求められる場合もあり、やりがいのある仕事といえます。
もし、CADソフトを扱う仕事に興味がある方は、当社の転職相談会に参加してみてください。 自分のスキルや経験を活かせる、やりがいのある仕事を提供する企業との出会いがあるかもしれません。 相談会は無料で行っております。 詳しくは 【無料転職相談会】 をご覧ください。
CADソフトを使用すれば容易になる図面の設計
CADソフトを使用すれば、正確な図面を短い時間で完成させることが可能です。企業が図面制作のためにCADソフトを使用したい場合には、おこなっている仕事の内容に合った最適なソフトを選んでください。図面の作りやすさも選ぶ時の重要なポイントとなり、サポートの充実度も考慮して選んだ方が、購入した後も安心して使用できます。
制作協力:オモシゴジャーナル編集部
おすすめ求人情報
その他のコラム記事
-
生産管理の年収・給料はどれくらい?業界の相場や平均金額を解説
生産管理職の年収はどれくらいなのでしょうか。 企業の規模や業種、地域によっても変動するこの職種の年収。今回は、生産管理の仕事内容から、平均年収、地域別の特徴、年収アップのための方法に至るまで、詳しく解説します。 生産管理 […]
-
機械エンジニアにおすすめの資格はなに?仕事に求められるスキルや経験
機械エンジニアは、21世紀の産業界において欠かすことのできない存在となっています。 機械の設計から製造、運用、管理に至るまで、幅広い知識と技術が求められるこの分野で成功するためには、何が必要なのでしょうか?この記事では、 […]
まずはあなたの希望する働き方・ライフスタイルを第一に考えます。
すぐに転職をお考えでなく、転職しようか迷っているという方もぜひご利用ください!