コラム

地方在住・独身・技術者の転職の悩み|30代男性、機械設計/機構設計者

関ジョブ転職相談は、関西メーカーJOB.JP(関ジョブ)が提供する技術者・エンジニア向けの転職・キャリア相談コラムです。実際のよくある悩みにもとづいて、転職アドバイザー森田秀司が相談者の転職活動をサポートします。この企画を通じて、技術者やエンジニアの皆さまのキャリアに関する悩みを解決し、より良い転職経験を得られることを目指しています。

  • 【相談者】
    30代男性、機械設計/機構設計者
  • 【求職者の悩み】
    地方在住での転職先選択肢の少なさ、生活コストの変化への不安、新しい技術習得の時間不足

今回の「関ジョブ転職相談」では、地方在住の32歳の男性、機械設計/機構設計者の方の転職の相談を取り上げます。彼は10年以上自動車向け産業機械メーカーで働いてきましたが、地方在住であるため転職先の選択肢が限られています。また、独身で一人暮らしをしているため、転職による生活コストの変化が心配です。さらに、新しい技術を学ぶ時間がなく、自分のスキルが時代遅れになっていないか懸念しています。ここでは、彼の具体的な悩みとそれに対する解決策を提案します。

  • 転職アドバイザー:森田秀司

大学卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、業界経験20年。転職エージェント9年、再就職支援3年、人材派遣5年の他、自身も派遣社員として2年半の就業経験があり、多種多様な働き方の支援に携わる。現在、京都地場の人材サービス会社、株式会社ジャパンナヴィゲイトで、エンジニア専門転職エージェントサービスの立ち上げ、自社採用業務、派遣事業管理に携わる。国家資格キャリアコンサルタント保有。

地方在住のため転職先の選択肢が限られる

地方在住であり、転職先の選択肢が限られています。地元を離れずに、より多くの選択肢を見つける方法は何でしょうか?

  • 森田)

仕事の探し方ということで言えば、まず一般的な求人募集だけ探すだけでなく、業種別に会社を検索できるデータベース(例えば、Baseconnect、イプロス)、工業会のウェブサイトにある会員企業リストなどから会社を調べます。多くの都道府県で、希望する業界の会社が一定数出てくるでしょう。

まず、出てきた会社のウェブサイトの採用情報を確認し、募集の有無を確認します。掲載している場合は、応募企業の一候補としておきます。もし求人募集がなかったとしても、単に掲載していないだけで、個別に問い合わせをすれば面接をしてもらえるケースもあります。会社のことを調べる中で、採用ニーズがあれば応募をしたいと思った場合、個別に問い合わせ、売り込みをすると面接をしてもらえることがあります。

選択肢が限られている場合、求人募集の有無だけで判断せず、自身のスキルや経験を活かせる企業を見つけ、積極的に企業にアプローチすることでチャンスが広がることがあります。

転職による生活コストの変化が心配

独身で一人暮らしをしています。転職による生活コストの変化が心配です。特に、都市部への移住や新たな住居の探し、通勤時間と費用、新たな生活環境に適応するためのコストなどが気になっています。転職後の収入と支出のバランスを保つために、転職活動中にどのような準備をすべきでしょうか?

  • 森田)

移住を伴う転職を検討する場合、まず転居にかかる費用を想定します。

具体的には、賃貸住宅への入居であれば、希望する間取りでかかる家賃相場、引越代、入居時の敷金、礼金、前払いの家賃、自動車、バイクをお持ちなら駐車場代を想定して、転居のコストを試算します。

物価も都心部の方が高くなる傾向があるため、都市部の代表的なスーパー等のチラシ情報をネットで確認し、物価のめども立てた上で、一カ月に必要な生活費を試算します。

まずはこれらからコストを割り出しておきましょう。また、転職先が決まった場合、転居のための時間も必要となります。場所にもよりますが、できれば2週間はその期間に入れておくとよいでしょう。

なお、同じ都市部でも場所により、お店の多さ、利便性、治安等が変わってきます。転居をしてから、場所選びに失敗した、すぐ転居したい、とならないよう、先に転居先の地域を調べておき、幾つか候補を上げておくこともおすすめいたします。

現職では新たな技術を習得する時間が取れない

新しい技術を学ぶ時間がなく、自分のスキルが時代遅れになっていないか懸念しています。転職活動中に自身のスキルを評価し、必要なスキルを習得するために何をしておくと良いでしょうか?また新しい職場で自分のスキルを最大限に活かすためには、どのような準備が必要でしょうか?

  • 森田)

まずは外部の人に相談をして、今の自分の技術者としての市場価値を客観的に評価するようにします。転職エージェントを使う場合は、転職エージェントの担当者にアドバイスを求めたり、身近に転職を経験している人がいるなら、その人にアドバイスを求めます。

そして、それだけではなく、今はツイッターやFacebookなどのSNSを使って、社外のエンジニアと多くつながれます。SNSを使って、自分と同じように転職を検討している技術者とつながりを持ち、そこから情報収集をしましょう。

実際、こうした外でのつながりから、自分が所属する業界以外の技術者がどんなことをしているのか、どんなスキルを持った人がいるのか等を知ることができます。そのことで、自分自身のことを客観視できるようになりますし、技術者としてどんなことを勉強、経験した方が良いのか、などの情報が入ってきます。

できるだけ自分一人の枠内で判断するのではなく、色々な人とつながって情報収集ができるようにしましょう。

転職により新しい技術を学びたい

産業機械業界での経験を活かしつつ、新しい技術を学ぶための転職先を探しています。どのような業界や企業がおすすめですか?

  • 森田)

「新しい技術=最先端の技術」という事であれば、開発型のメーカーを目指すとよいでしょう。自分が所属する会社と同業であれば、自分の会社よりも売上規模の高い会社や、売上規模は小さくても独自技術を持っている会社が対象になります。

「新しい技術=自分が身に付けていないメカニズムや部品加工の知識」ということであれば、請負型でオーダーメイド設計をしている会社もおすすめです。開発型メーカーに比べて部品やメカニズムの幅広い知識、引き出しが求められるため、幅広い技術知識を身に付けられます。できれば、1件数千万円~数億円になる製品を手掛けている会社であれば、かなりの経験値を積むことができます。

転職エージェントのサポートとは

転職エージェントを利用することで、どのようなサポートを受けることができますか?具体的には、求職者の立場から見てどのようなメリットがあるのでしょうか?

  • 森田)

転職エージェントは、目指す業界における転職市場の動向、企業が求める人材の特徴、スキル、年齢毎の年収相場、選考を突破するためのノウハウなどを強みとしています。こうしたメリットを受けたい場合に、転職エージェント利用はおすすめです。

一方、転職エージェントの中には、エージェント都合で、エージェントが採用を決めたい会社の紹介を推し進めたりする会社も、残念ながら存在します。エージェントの担当者との相性もあるため、エージェントを利用する場合はその点の注意が必要です。

もし、ご自身でそれなりに情報収集ができたりするのであれば、転職エージェントは利用しない、または求人紹介のみを求める等の利用方法をとるのも良いでしょう。

まとめ 

地方在住で転職を考える際には、誰しもがさまざまな悩みを抱えます。

しかし、多くの問題は決して乗り越えられないものではありません。地元の企業リストやデータベースを活用して求人情報を探す、転職による生活コストの変化を事前に試算する、SNSを活用して情報収集やスキルの評価を行うなど、問題を解決する手段は必ず存在します。

転職エージェントの利用も一つの手段ですが、その利用方法は自身の情報収集能力やニーズによります。転職は一人の力だけでなく、周囲の情報や支援を活用することで、より良い結果を得ることができます。

 

※本記事で紹介する相談者は、架空の人物であり、過去の経験を基に設定されたものです。実在する人物や団体とは一切関係ありませんので、ご了承ください。

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すぐに転職をお考えでなく、転職しようか迷っているという方もぜひご利用ください!

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