コラム

回路設計の年収・給料はどれくらい?業界の相場や平均金額を解説

デジタル機器が増え、回路設計の必要性は増しています。

業務の幅も広がり、同じく回路設計エンジニアとして仕事をしている方も増えている状況で、同業者の年収や待遇は気になるかもしれません。

こちらでは、回路設計エンジニアの平均年収や給料をさまざまな視点で取り上げます。人間関係、勤務時間、仕事内容に加え、収入に満足できるかどうかも転職の成否をわける要素となるため、深掘りして考えてみましょう。

 


回路設計の平均年収やボーナス

回路設計の平均年収は、転職エージェントや転職サイトなどで具体的な金額を取り上げています。

一例として、カカクコムが運営する求人に特化した検索エンジン「求人ボックス」(2023年6月16日時点)では、2023年5月時点での回路設計の平均年収が496万円でした。月給ベースで考えた場合は約41万円となり、初任給は21万円程度になるようです。給料の幅としては283万円から784万円と差があることがわかります。

経験を積み、スキルを上げていったり、勤務先の状況などでも収入増につながることが理解できます。平均年収の分布を見ると、408万円から471万円の方が一番多く、平均年収よりは低く推移しています。ここまでは正社員のデータですが、派遣社員の平均時給は2,198円、パート・アルバイトの平均時給は1,001円となっています。

また、パーソルキャリアが運営する大手転職情報サイト「doda」では、回路設計の収入が489.8万円に上っているとしています。同社のデータによると、ものづくりに関連するエンジニアの平均年収は463.4万円ですので、回路設計エンジニアの収入は若干上回る形です。

dodaでは年収の分布も発表していますが、一番多いのが400万円から500万円で、およそ全体の4分の1を締めています。次に多いのが300万円から400万円で、こちらは全体の23%となり、300万円から500万円の年収の方が全体の約半分を占める形になっています。

dodaでは平均年収の総額とは別にボーナスの金額も公表されています。回路設計エンジニアの年間ボーナスは135.4万円で、夏のボーナスが67.9万円、冬のボーナスが67.5万円となっています。

年齢による年収の特徴

製造業やエンジニアリングの分野では、特に回路設計のような専門的な職種において、スキルや経験が直接的に収入に影響を与えることが一般的です。それを年齢別の年収の観点から考察してみましょう。

一般的に、20代の初期段階での回路設計エンジニアの平均年収は約400万円とされています。そして、30代になると経験やスキルが増えることから、平均年収は約560万円に上昇します。さらに40代では平均年収は約640万円、50代以降では約720万円となります。

これらのデータから、年齢が10年進むごとに平均年収が約100万円以上増加する傾向が見られます。ただし、年齢が経験やスキルを直接反映するわけではなく、管理職などの役職に就くことで収入に差が出る場合もあります。それでも、経験が収入に直接的に影響を与えることは容易に想像できます。

地域による年収の特徴

回路設計の平均年収は地域によっても差があります。地域別に見て一番平均年収が高かったのが関東です。平均年収は503万円で、関東の中でも神奈川県が高く、527万円に上りました。東京都は関東の中でも2位で、平均年収は520万円でした。

次に平均年収が高かった地域が近畿です。近畿地方全体の回路設計エンジニアの平均年収は495万円と、500万円に迫る勢いです。中でも高かったのが三重県で、平均年収は524万円、大阪府は497万円で近畿エリアでは4位でした。九州・沖縄地方では、平均年収は456万円で、一番高かったのが福岡県の460万円でした。

その他の地域では、中国・四国地方が459万円で広島県の497万円がトップ、中部・北陸地方が457万円で岐阜県が499万円でトップ、北海道・東北地方が425万円で北海道が474万円でトップとなりました。

地域別の年収で見えてきたのは、ものづくりの拠点となる都道府県の年収が高かったことです。例えば、関東地方では東京都ではなく神奈川県、近畿地方では大阪府ではなく京都府などといった具合です。本社機能の有無ではなく、開発拠点が回路設計エンジニアのニーズに影響しており、年収の差になって表れていると考えられます。

企業規模と年収の関係

職業情報サイト「キャリアガーデン」によると、回路設計の年収は、一般的なサラリーマンの平均年収に比べてやや高い傾向にあります。しかし、会社の規模によって給料事情は異なり、大手メーカーと中小メーカーでは給料の額に差が生じます。厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、回路設計の平均年収は、42.4歳で644万円ほどとなっています。

企業規模と年収の関係を見ると、勤務先の規模が大きくなると年収もやや高くなる傾向があります。10〜99人規模の事業所に勤める回路設計の平均年収は526万円、100〜999人規模は567万円、1,000人以上の規模では721万円、10人以上規模の事業所平均は644万円となっています。

大手メーカーの例としても、年収1000万円以上の年収をもらっている人も少なくはありません。一方、設計事務所や中小メーカーの給料は、大手メーカーに比べるとひと回り少ない傾向であり、年収500万円前後の会社が目立ちます。

このように、企業の規模が大きくなるほど、回路設計の年収も高くなる傾向があることがわかります。大手企業では年収1000万円以上を得ることも可能で、中小企業では年収が500万円前後となることが多いです。

 

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回路設計の転職市場

年収という観点でいくと、要件定義までできるようになれば、中小企業であっても年収は600万円以上、会社によっては1000万円を得られる可能性があります。要件定義までできるようになるには、回路設計のスキルに、製品を考えるための市場調査のスキル、製造工程の知識を備え、他部門を取りまとめるコミュニケーション力をつける必要があります。

経験年数としては、5〜10年くらいが一つの目安になります。

なお、大手企業であれば、設計補助や部品選定・調達、回路のテスト、評価といった、回路設計の基盤と言える工程を担当する段階から、年収500万円位得られることもあります。

一方、中小企業では、大手企業に比べて組織がフラットになり、担う役割が大きくなる傾向があります。そのため、新しい製品開発プロジェクトに早くから参画したり、回路設計から基板設計まで一貫して担当する経験が積め、組織としての効率性、スペシャリゼーションを重視する大企業では得られないスキルが身に付きます。

その分、当然ながら他の会社に行っても高い報酬を得られる技術者になる道が開ける可能性が出てきます。

回路設計の仕事の平均年収や給料を理解して転職に臨もう

回路設計エンジニアの平均年収や給料は、経験やスキルとともに、地域や企業規模などで大きく左右されます。

提示されている平均年収の数値だけでなく、さまざまな要素を加味して冷静に判断し、転職に臨むことが大切です。

年収以外に、職場の人間関係、勤務時間、仕事内容などを総合的に判断すると、転職後の満足度が違ってくるでしょう。


参考:
回路設計の仕事の平均年収は489万円/平均時給は1,067円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス
回路設計とはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】
【2023年版】回路設計の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説 | キャリアガーデン

 

制作協力:オモシゴジャーナル編集部

 

 

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