コラム
回路設計に資格は必要?おすすめの資格・検定を紹介

電子機器を安全に正しく動作させるためには、回路設計は欠かせません。これまで身につけた技術を活かして、回路設計の仕事に転職したいと考えている人もいるでしょう。
ですが、複雑で緻密な電子回路を扱うという事は資格が必要かもしれません。
ここでは、回路設計で役立つおすすめの資格を取得の難易度に合わせて紹介します。
目次
回路設計に資格は必要?
回路設計の仕事をする時には、資格は必須ではありません。
工業高校や大学で学んだ知識と、これまでに身につけた技術があれば行える仕事です。そのため、実務経験があれば転職する時にも特に問題はありません。企業のなかには資格を必須としている場合もあります。せっかく条件がいい転職先を見つけても、資格がない事で失敗しては後悔が残ります。
事前に役立つ資格を取得しておけば、転職先の幅が広がる可能性もあります。特に、難易度が高い資格は専門性がある事を企業にアピールできるため面接の時にも有利になる可能性があります。ですが、資格なら何でもいいというわけではありません。転職先に役立つ資格を意識するようにしましょう。
おすすめの回路設計職の資格
ここでは、おすすめの回路設計職の資格について解説します。初級や上級など難易度についても紹介しているため、選ぶ時の参考にもなるでしょう。
ディジタル技術検定
文部科学省後援の公的資格である「ディジタル技術検定」は、情報処理やプログラミングに関する用語などITの総合的な知識がある事を示す資格です。
取得しておくと、ディジタルやIT関連の企業へ転職する時に有利です。1級から4級まであり、難易度はそれぞれ違います。4級と3級は、情報処理の基礎的な知識があれば合格できる初級レベルです。
2級や1級の場合は、情報部門と制御部門に分かれていてより専門的な知識が必要です。上級者レベルの資格が必要なら、2級以上を目標にするといいでしょう。
統計検定
統計やデータ分析に役立つのが、「統計検定」の資格です。
回路設計には、情報収集をする事も大切です。あらゆるデータの統計や分析を行い、その結果から問題解決のヒントを探る統計検定は大いに役立つ資格です。統計学に関する専門的な知識を活かせば、研究機関や分析機器製造メーカーなど専門性が高い企業への転職にも役立ちます。
試験は初級にピッタリな4級から上級者向けの1級まであり、自分のレベルに合わせて取得する事が可能です。
CAD利用技術者試験
回路設計には、アナログとデジタルがあります。
デジタル回路設計の仕事に携わりたいなら「CAD利用技術者試験」が大いに役立ちます。一般社団法人コンピュータソフトウェア協会が主催し、システムの知識だけではなく作図能力も必要となります。難易度はかなり高めなので、上級者向けの資格だと言えます。
また、CADは3次元か2次元に分かれています。3次元では立体的なオブジェクト設計が行えて、2次元では図面の正しい理解が求められます。取得する前に、それぞれの違いを理解し自分に合った方を選択するのがおすすめです。
EMC設計技術者資格
デジタル回路を設計する上では、「EMC設計技術者資格」が役立ちます。
テレビやパソコンといった電子機器が発する電磁波は、周辺にある他の機器にも影響を及ぼす事があります。EMC設計技術者は、電子機器から発せられる電磁波をコントロールし悪影響を防ぎます。電子機器の設計図の段階から参加し、問題が起きないようにチェックや改修を行います。
この資格があれば、電子機器の開発やテストに携わる事ができるため様々な企業への転職が可能です。専門的な知識や技術が必要なため、資格取得には上級者レベルが必要になります。
その他のおすすめ資格
カンサポ(オモシゴジャーナル)が2023年4月に実施したアンケートによると、回路設計職に推奨される資格は多岐にわたります。
技術系では「技術士」が最も推奨され、42.9%の投票を獲得しました。また、「第二種電気工事士」と「電気主任技術者」の第一種もそれぞれ14.3%の投票を獲得し、重視されています。
IT系では「ITパスポート試験」が最も頻繁に挙げられ、42.9%の投票を獲得しました。
また、「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」がそれぞれ14.3%の投票を獲得し、好評です。一部の回答者からは「システムアーキテクト試験」の推奨も見られました。
参照:
【REPORT】技術者・エンジニア おすすめの資格|オモシゴジャーナル
資格取得に向けた対策
回路設計に関する資格を取得したいと考えても、どうすればいいかわからない人もいるでしょう。そこで、資格取得に向けた対策を紹介します。
過去問をチェックする
回路設計の資格取得を目指すなら、過去問のチェックは欠かせません。試験の際には、同じ問題が出る確率はかなり低いです。ですが、過去問を知る事によって試験に出やすい問題がわかってきます。どこから勉強したら良いのかわからない時にも役立ちます。
過去問を解く事によって、自分の得意や不得意な分野についてを理解する事が可能です。不得意な分野の克服にも役立ちます。この時に注意したいのは、問題を解くだけで終わらない事です。必ず答え合わせをして、間違った箇所があった時には重点的に復習をします。
スキマ時間を活用
働きながら転職活動しているという人もいるでしょう。資格取得のために勉強したくても、仕事やプライベートが忙しいと時間を確保するのも難しいです。そんな時には、スキマ時間を活用するといいでしょう。僅かな時間を活用する事で、必要な知識をインプットできます。
スキマ時間を見つけるためには、1日のスケジュールを書き出す事が大切です。予定と予定の間を探す事によって、スキマ時間が見つけやすくなります。短い時間を活用するには、単語帳やアプリを使うのもいいでしょう。大切な事は、時間の長さを意識する事です。時間が短くても、効率がいい勉強が可能です。
モチベーションを維持する
回路設計に役立つ資格を取得するには、知識も必要ですがメンタルも大切です。特に、難易度が高い資格だと難しい専門用語が多かったりわからない事も多々ある事が考えられます。スムーズに勉強が進まない時には、モチベーションが下がる事も考えられます。モチベーションが下がると、勉強もはかどりません。
大切な事は、資格取得に向けて目標設定を立てる事です。目標に向かって勉強する事によって、意欲を失わずに済みます。この時に大切なのは、無理な設定を立てない事です。目標が達成されなかった時には、精神的に落ち込んでしまいモチベーションが維持できません。達成できる目標を立てる事によって、確実にクリアできるようになります。
資格を取得するためには、メンタル的な部分にも注意するようにしましょう。
資格があれば転職に有利?
資格取得を通じて、より高いスキル、技術者としての信頼性を獲得したいのであれば、技術士の資格は有効です。難易度は高いですが、その分専門性も高く、キャリアアップにプラスとなります。合格後の技術者同士のネットワークから交流を持ち、さらに知見を深めている技術者もいます。
また、日本では認知度が低いが、難易度が高いPE(Professional Engineer)も、有効な資格となります。1907年にアメリカで生まれ、100年以上の歴史がある資格で、一定レベルのエンジニアとしての専門的スキルと英語力を客観的に証明する国際資格となります。
特に、グローバルな視野を持つ企業や、国際的なプロジェクトに携わる機会がある場合にはプラスとなりえます。
さらに、電気主任技術者の資格も有効です。一般的には設備エンジニアや施工管理者などに求められる資格ですが、回路設計技術者にとっては、製品全体の設計、特に電源や配線などの電気設備に関わる部分を理解する上で役立ちます。
加えて、製品の設計、製造、設置まで一連の流れを理解することにも役立ちます。製品全体の視点を持ったエンジニアを目指す上で、検討すべきものでしょう。
回路設計で役立つおすすめの資格を取得する時には難易度をチェック
回路設計の転職を有利にするためには、資格を取得する事がおすすめです。ですが、いきなり難易度が高い資格にチャレンジをしても失敗しては意味がありません。
資格を取得する時には、それぞれの難易度について理解し自分に合った物を選択するようにしましょう。また、スキマ時間を活用するなど資格取得のための対策を考えておく事も大切です。
制作協力:オモシゴジャーナル編集部
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