コラム

不安定な経営環境の現職から安定した職場に移りたい|30代男性、機械設計担当者

関ジョブ転職相談は、関西メーカーJOB.JP(関ジョブ)が提供する技術者・エンジニア向けの転職・キャリア相談コラムです。実際のよくある悩みにもとづいて、転職アドバイザー森田秀司が相談者の転職活動をサポートします。この企画を通じて、技術者やエンジニアの皆さまのキャリアに関する悩みを解決し、より良い転職経験を得られることを目指しています。

  • 【相談者】
    30代男性、機械設計担当者
  • 【求職者の悩み】
    経営不安定な現職から安定した環境への転職を希望し、それに伴う転職活動の疑問・不安

今回の「関ジョブ転職相談」では、34歳の男性、重機製造業界で働く機械設計担当者からの相談を取り上げます。業界の専門性の高さ、自身の働く企業の経営状況の不安定さによるストレスで、健康を害しているという悩みを抱えています。

専門的な業界で働く方は、一般的に転職市場においてその特性が壁となることが多く、ストレスの一因となる場合があります。また、34歳という年齢は、キャリアの中でも大切な時期であり、転職の難しさを感じる方は多いです。

今回のケースのように、所属する業界の専門性が高く、他業界への転職を困難に感じることはよくあります。しかし、自身のスキルや知識を適切に評価し、新たな業界や企業で能力を活かす方法をしっかりと検討すれば、転職成功の可能性は十分にあると言えます。

  • 転職アドバイザー:森田秀司

大学卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、業界経験20年。転職エージェント9年、再就職支援3年、人材派遣5年の他、自身も派遣社員として2年半の就業経験があり、多種多様な働き方の支援に携わる。現在、京都地場の人材サービス会社、株式会社ジャパンナヴィゲイトで、エンジニア専門転職エージェントサービスの立ち上げ、自社採用業務、派遣事業管理に携わる。国家資格キャリアコンサルタント保有。

他業界での活かせる設計スキルとは

重機製造業界以外で、私の機械設計・機構設計のスキルが活かせる業界や職種はありますか?

  • 森田)

業界については、重機以外の多くの業界で活かせます。

但し、製品によって設計思想が異なり、よく使われる構成部品、メカニズム、図面の扱い方など様々な点で設計の進め方が変わります。

そのため、一定の機械設計経験がある技術者であっても、これまでと異なる業界の機械設計をするのであれば、少なくとも1~3年はその製品のことを覚える期間として見ておく必要があります。

実際、企業に採用されやすいかどうかは、企業ごとに判断が分かれます。

技術者の採用が難しい昨今の状況を受けて、異業種の技術者でも積極採用する事もありますが、30歳を過ぎたくらいから、優秀な技術者であっても「やってきた製品が違うから」という理由で選考に進めようとしない企業も根強くある事も押さえておくと良いでしょう。

機械・機構設計のスキルが活かせる職種については、やはり機械設計が一番の職種となります。

その他は、技術の経験を活かした技術営業、セールスエンジニアも挙げられます。

経営状況が安定した企業を見つけるポイント

経営状況が安定している企業を見つけるためのポイントは何でしょうか?

  • 森田)

財務状況を公開している企業であれば、まずはその情報を確認します。

その中で、自己資本比率は代表的な指標になります。

一般的に自己資本比率の目安は30%。50%を超えると優良企業で、70%を超えると超優良企業となります。

財務以外では、その会社が扱っている製品、サービスの業界シェアもポイントになります。

ニッチな業界であっても業界トップ級であれば、顧客基盤が強く安定している可能性があります。

健康問題を転職活動で適切に伝える方法

転職活動において、健康上の問題をどのように説明すべきですか?

  • 森田)

正直に現状を伝えましょう。

どのような問題で、通院頻度はどのくらいか?業務上どのような配慮があれば支障なく業務ができるか?などです。

採用選考において、合格しにくい要素になり得るのは事実です。

しかし、これを伝えておかないと、入社後、必要な配慮を受ける事が出来ず体調を崩し、仕事が続けられなくなることになり得ます。

また、内定を受諾してからこのことが企業側に伝わった場合、内容によっては採用取り消し。入社後に発覚した場合は、業務に重大な影響を及ぼす事由を相談、報告しなかったとして、退職をせざるを得ない場合もあります。

後で問題にならないよう、選考段階からきちんとお話をしていきましょう。

他業界への転職時の効果的な自己PR方法

専門性が高い重機製造業界から他業界へ転職する際に、どのように自己PRを行うと効果的でしょうか?

  • 森田)

自分の機械設計経験をしっかり棚卸した上で、構想設計、見積基本設計、詳細設計、組図、部品図作成、外注管理、試作、検査、設置対応といった一連の設計工程において、どの部分を経験しているかをPRします。

それ以外には、使用しているCADソフト。機械の組立、機械加工の知識・経験など、機械設計共通のスキル、知識をきちんと説明し、汎用性の高さをアピールするようにしましょう。

転職成功のためのスキルアップと資格取得戦略

転職成功のために、私が取り組むべきスキルアップや資格取得は何でしょうか?

  • 森田)

他の業界の機械設計者とつながりを持ち、自分が所属する業界以外の技術者と交流を持ち、情報を得ることはプラスになります。そのつながりの中では、技術的な知識はもちろんの事、転職経験のある技術者も多いので、転職の体験談も聞ける可能性があります。

機械以外の知識では、制御やソフトについても勉強をすること。

資格取得については、機械設計技術者や、難易度は高いですが技術士の資格取得はスキルアップとして非常に有効です。

まとめ 

今回は、経営状況が不安定な現職から安定した職場へ転職を希望する30代の機械設計担当者の転職相談例を紹介しました。

ストレスや健康問題に悩みを抱える中、専門性の高い今の業界からの転職に不安を抱くなか、不安を解消するためのポイントの他、効果的な自己PR方法、必要なスキルアップや資格取得についてアドバイスを行いました。

これらはひとつの事例ではありますが、多くの転職希望者にとっても大切なポイントです。特に安定した職場を求める技術者やエンジニア方々の参考になれば幸いです。

転職は簡単に決断できることではないですが、適切な準備と対策を立てることで納得のいく転職を実現できる可能性は大いに高まります。

 

※本記事で紹介する相談者は、架空の人物であり、過去の経験を基に設定されたものです。実在する人物や団体とは一切関係ありませんので、ご了承ください。

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