コラム
品質管理に資格は必要?おすすめの資格・検定を紹介

製品やサービスの品質を保証するために、重要な役割を担っているのが品質管理です。製造業はもちろん、さまざまな分野で必要とされている職種なので、転職を考えている人も多いのではないでしょうか。
なかには、転職するためには何か資格を持っておいたほうがよいのではないかと、悩んでいる人もいるかもしれません。今回は品質管理の資格について、おすすめの資格や検定など詳しく解説していきます。
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目次
品質管理の仕事をする時に資格は必要?
品質管理に必須となる資格はないため、資格がなくても仕事をすることはできます。しかし、リスクマネジメントや規格に関する知識など、多くの知識やスキルが求められる仕事なので、関連する資格を取得しておいて損はありません。
自分のスキルアップにもつながりますし、転職に有利になることもあります。品質管理の仕事をするのであれば、どのような関連資格があるのかチェックし、自分の目的に合った資格を取得しておくとよいでしょう。
品質管理で必要になる基本スキル
基本スキルを身につけることが、品質管理のプロフェッショナルとして第一歩となります。
リスクマネジメントスキル
品質管理は、製品に問題が起こらないようにありとあらゆるリスクを想定しなければなりません。製品そのものに潜むリスクはもちろん、製造工程において設備の不具合や人選に問題はないかなど、さまざまなことに気を配る必要があります。そのために必要になるのが、リスクマネジメントスキルです。品質の高い製品を作るために、問題を事前に察知し、被害を最小限に抑える能力を身につけておきましょう。
コミュニケーションスキル
品質を向上させるためには、設備だけではなく現場で働くスタッフ達にも気を配らなければなりません。実際に製品を作っているスタッフと意見交換したり、どのように作業しているのか自分の目で確認したりすることで、新たな問題点が見えてくることもあります。普段から現場スタッフとコミュニケーションを取ることも、品質管理の重要な仕事です。
統計に関する知識
品質管理においては、データを収集したり検証したりすることも必要です。その時に、統計の知識が役立つことがあります。中でもグラフやパレート図、チェックシート、ヒストグラムなどに関する知識は、データから問題を特定したり解決策を見出す時に活用できます。
観察力
問題を改善して品質を向上させるためには、原因を早急に見極めなければなりません。ちょっとした違和感が後々大きなトラブルに繋がることも多いため、些細なことも見落とさない観察力は、品質管理において重要な能力と言えるでしょう。
転職やスキルアップを考えている人におすすめの資格・検定
品質管理の仕事をするために必要な資格はありませんが、取得しておくと転職やスキルアップに役立つものがいくつかあります。ここでは、品質管理に関連する資格の中でも、特におすすめのものを紹介します。
品質管理検定(QC検定)
品質管理の知識がどの程度あるかを測定するために行われているのが、品質管理検定(QC検定)です。4級から1級まで4つのレベルに分かれていますが、4級と3級であればそれほど難易度が高くないため気軽にチャレンジできます。転職やキャリアアップを考えている人がまず取得しておきたい、もっともメジャーな資格と言えるでしょう。
ソフトウェア品質技術者資格認定制度(JCSQE)
ソフトウェア開発において品質事故をなくすなど、ソフトウェア品質の向上を目的とした資格が、ソフトウェア品質技術者資格認定制度(JCSQE)です。初級と中級の試験が年2回開催されており、上級の試験も新設される予定となっています。初級の合格率は55.2%で、難易度はそれほど高くありません。
試験問題は、ソフトウェア品質に関する内容が網羅された「ソフトウェア品質体系ガイド」から出題されます。リスクマネジメントや規格など、品質管理に必要になるスキルを有していると証明できる資格なので、転職を考えている人は取得しておいて損はないでしょう。
信頼性技術者資格認定制度(JCRE)
信頼性技術者資格認定制度(JCRE)は、日本科学技術連盟の資格認定制度です。信頼性に関する知識やスキルを有しているかが問われる試験で、品質管理はもちろん生産技術や研究など、信頼性に関わる様々な部門が対象となっています。初級、中級、上級の3つの階級に分かれており、品質管理を目指している人からすでにプロとして活躍している人まで、様々なレベルに対応しています。
初級は「信頼性セミナー基礎コース」修了レベルの内容となっていますが、中級と上級はプレゼン形式の試験もあるため、より実践的なスキルを問われます。信頼性や品質保証に関する業務を行う技術者の、能力向上を図るための資格ということで、転職する時のアピールポイントが欲しいと考えている人にもおすすめです。
R-Map実践技術者認定制度
R-Map実践技術者認定制度は、システムや製品などが持つリスクに対して、確実な対策を講じることができるかを試される認定資格です。
認定を受けるためには、研究会に6日以上参加する、セミナーに出席するなどいくつか条件があります。会費も高く取得難易度は高めですが、R-Mapを利用したリスクマネジメントを行いたい人にはおすすめの資格です。
QCサークル指導士資格認定制度
QCサークル指導士資格認定制度は、QCサークルの指導者を育成することを目的とした認定制度です。QCサークルは経営に貢献する改善活動の1つで、多くの企業に採用されています。本資格を取得しQCサークルの指導者となれば、転職する時に有利になるでしょう。
資格を取得するためには、認定セミナーを受講した後、試験に合格しなければなりません。また、合格後に登録申請を行う際には、QCサークルの実務経験や指導に関わる実務経験が必要になります。
JSTQBテスト技術者資格認定
JSTQBテスト技術者資格認定は、日本におけるソフトウェアテスト技術者資格の運営組織である、JSTQBが運営する認定資格です。Foundation LevelとAdvance Levelの2つに分かれており、Foundation Levelは実務経験がない人でも取得できます。Advance Levelに関しては、3年間以上の業務経験が必要です。
ソフトウェアの品質を確保するために必要となる、テスト技術の向上を目的とした資格で、品質管理の仕事をする上でも役立ちます。JSTQBは国際テスト技術資格のISTQBに加盟しているので、海外で仕事をしたいと考えている人にもおすすめの資格です。
マネジメントシステム監査員検定
マネジメントシステム監査員検定は、マネジメントシステムのパフォーマンス評価を行う知識があるかどうかを確認する検定試験です。中級と上級のレベルがあり、中級はこれから監査員を目指す人、上級は監査経験がありリーダーとして活動したい人を対象としています。品質管理の仕事をしている人が、スキルアップのために取得するのもよいでしょう。
また、品質管理に関する基礎的な知識がどの程度身についているか、チェックするために受験してみるのもおすすめです。
資格があれば転職に有利?
品質管理は、資格があるだけで選考が有利になる、ということはありません。ただ、製品によってアプローチや手法が異なり、会社ごとにやり方も変わります。
そのため、資格取得を通じて得られる体系立った知識は、転職先企業の品質管理レベルを把握し、業務を円滑に進めていくのに役立つでしょう。当然、経験者で資格があれば採用側から評価を得られるポイントになります。
品質管理は、資格だけでなくQC7つ道具、シックスシグマ、タグチメソッドなど、どのような理論、ツールを使って業務をしてきたのかが重要です。
資格をアピールする際、資格を通じて得られた知識、モデルをどのように業務に使ったのかを説明できるようにすると効果があるでしょう。
まとめ
品質管理は必ずしも資格が必要になる仕事ではありません。しかし、品質管理検定(QC検定)やソフトウェア品質技術者資格認定制度(JCSQE)など、関連する資格は数多くあり、持っておくとスキルアップや転職に役立ちます。
もっと仕事の幅を広げたい、転職する時にアピールポイントが欲しいと考えている人は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
制作協力:オモシゴジャーナル編集部
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