コラム

電気設計の年収・給料はどれくらい?業界の相場や平均金額を解説

30代になると、仕事のコツも覚え、脂がのってきたと感じる方も多いかもしれません。仕事に見合った給料とともに、仕事内容や人間関係について考え、今後を見据えた転職などの計画を立てている方も少なくないようです。

こちらでは、電気設計に従事している方の平均年収について取り上げます。相場を理解して、失敗しない転職を目指しましょう。

 

電気設計の業務は広範にわたり、主にハード系を扱う「電気設計」とソフト系を扱う「制御設計」に分けることができます。それぞれ電気・電子分野において重要な分野でどちらも関連性は高いですが、担当する範囲は異なります。

ただし、電気設計と制御設計の両方ができる技術者も存在し、両者が統合的にできることで、より効率的なシステム設計ができるようになります。

この記事では主にハード系の設計を担う「電気設計」について解説します。

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電気設計の平均年収は?

求人の一括検索ができる求人ボックスの掲載データによると、2023年5月時点での電気設計の平均年収は約475万円です。実際に掲載された求人情報を見ると、293万円から764万円までと、開きがあることがわかります。

電気設計は、経験やスキルがものをいう仕事であるため、未経験かそれに近い人材の給料は低く設定され、逆に、経験豊富で、転職先が求めるレベルのスキルを持っている方の年収は高くなります。

電気設計の正社員の年収分布をグラフで見ると、平均年収である475万円またはそれより低い年収が半分以上を占めます。平均を引き上げているのは、600万円から700万円超の少数の求人と考えるのが妥当です。平均年収より高くなるのは、500万円から600万円あたりまでで、それ以上の年収が提示されることはそれほどないといえます。

自分の年収と比較する場合は、平均年収は意識するものの、特別な技術や経験がない限り、破格の年収が示されることはないと考えておくとよいかもしれません。

設計する分野の違いで高年収も期待できる

電気設計全般の年収は500万円弱となりますが、設計の分野によっては高年収を期待できる職種もあるようです。

例えば、電気設備設計技術者の平均年収は、450万円から550万円程度とされます。また、電気制御設計経験者の求人は、平均提示年収が560万円を超えていました。分布図で見てみると、500万円台が3分の1強、600万円台が全体の4分の1を占める形になり、電気制御設計のニーズの高さがうかがえます。

加えて、電気設計の対象によっても、年収が異なるようです。注目を集める人工衛星分野では、平均年収が524万円と高めに設定されています。電気回路の平均年収も496万円と、全体の数字よりも高くなりました。

逆に、電気設計全体の平均年収を下回るのが、産業機械の459万円、シーケンサーの424万円です。産業の中でもトレンドとなっている分野の電気設計の年収が高く設定されていることが理解できます。

なお、電気設計の非正規雇用の場合の給料ですが、派遣社員の平均時給は1,998円、パート・アルバイトの平均受給は1,045円となっています。

会社規模による特徴:中小企業・大企業

電気設計の年収の会社規模別のデータは見つかりませんが、電気設計の仕事に必須とされる電気工事士の給料から推察することができるかもしれません。

例えば、1,000名以上の従業員がいる企業の電気工事士の平均年収は、約580万円でした。100名以上1,000名未満の企業では、約460万円となりました。それよりも小規模の100名未満の企業では、平均年収が470万円と、中規模企業の年収よりも上回りました。

大規模企業での年収は、他の規模の企業よりも群を抜いて多いですが、中規模と小規模の企業では、年収の差がそれほどないのが特徴といえます。なお、小規模企業では、エアコン工事などの受注が多いことが年収を押し上げているようです。そのため、電気設計に関しては、こちらで取り上げた年収の状況と若干異なる可能性があることに注意が必要です。

地域による特徴:関東・関西ほか

電気設計の年収は、地域差もあります。まず、年収が高い地域は関西で、年収は485万円でした。中でも、滋賀県は497万円でトップ、それに大阪府の496万円、奈良県の489万円が続きます。次に年収の高い地域は関東で年収平均は473万円です。

年収トップは500万円の神奈川県、それに続き、東京都の497万円、栃木県の496万円となります。関東のトップ3を見ると、関西を上回る形になっていますが、群馬県が434万円、茨城県が453万円と低く抑えられているため、全体としては関西に及ばない形です。3番目に多い地域は東海地方で455万円です。三重県が469万円でトップ、次に愛知県の456万円となっています。

4番目には、四国地方がランクインします。平均年収は432万円で、愛媛が454万円、香川県が448万円と高くなっています。中国地方は平均年収が428万円です。広島県が467万円、岡山県が447万円と続きますが、その他の県が410万円前後となっているため、平均金額が低く抑えられています。北海道・東北、甲信越・北陸、九州・沖縄地方は、ともに410万円台となっています。

以上のデータを見ると、電気設計の年収は、地域や県でかなりの差があることがわかります。これは、電気設計のニーズとともに、地域の賃金水準が関係しているかもしれません。転職を考える電気設計者の方で、Iターン・Uターンなどを考えている方は、該当の地域や県のデータを考え、自分のおおよその年収を予測して転職活動をするとよいでしょう。

年収をアップさせるには?

電気設計の仕事をしていて、引き続き同じ職業で頑張っていきたい、それでも転職して年収を上げたいと願っている方はいるはずです。こちらでは、電気設計のニーズを理解しつつ、年収をアップさせる方法を取り上げます。

電気設計のニーズや今後の見通し

電気設計の仕事は、今後も順調に推移するとみられています。中でもニーズの高い分野の一つが、電気設備設計です。現時点でも、慢性的な人手不足とされ、中途採用も活発に行なわれています。電気設備設計が必要な分野は、住宅やビル、商業施設など、建物全般です。新築物件だけにとどまらず、建物の老朽化に伴う電気設備の改修工事の際にも、設計が必要です。

近年は、SDGsや建築物省エネ法などの影響で、環境に配慮した設計が行なえる電気設備設計者が求められています。安全性や利便性に加え、環境配慮が可能な電気設備設計者は、転職時にアピールでき、年収アップも期待できます。

年収アップが狙える別の分野は、電気制御設計です。経験者向け求人の平均年収データを見ると、700万円台が1割、800万円以上は3パーセントありました。経験や知識がある電気制御設計者は、年収の面で、良い条件で転職できる可能性があるということを示しています。

資格を取得する

電気設計の仕事に、必ずしも資格は求められませんが、転職の場においては、取得している資格が知識や技術レベルを示すことになります。電気工事士第2種を取得していると、従事できる範囲が広がるため、転職でのアピールポイントになるはずです。

また、電気工事施工管理技士は、電気工事の監督や施工管理が行なえる国家資格です。建設現場では、こちらの資格を持つ専任技術者を配置する必要があるため、資格取得者は歓迎されますし、年収アップも期待できるでしょう。

年収交渉をする

求人情報を見ると、想定年収が500万円から600万円など、幅がある表示となっていることが多いものです。企業としては人材に投資するコストを抑えたいはずなので、こちらが何も言わない場合、最低金額での採用になってしまう可能性があります。年収を上げたいのであれば、交渉することが大切です。

自分で年収交渉ができない、あるいは難しいと感じる場合は、転職エージェントなどを利用して、年収交渉を代行してもらったり、希望の年収の求人を紹介してもらうことができるでしょう。転職エージェントでは、年収だけでなく、仕事の内容や職場の雰囲気、勤務時間の実態などもつかんでいる場合もあります。満足いく転職に資する、総合的な情報収集も可能になるかもしれません。

電気設計の転職市場

電気設計職で年収を上げていくためには、スキルの幅を広げていく事がポイントになります。

ひとつには、ハードだけではなくソフト(制御設計)のスキルも身に付けていくこと。特に最近の機械製品の性能はソフトウェアに占める比重が大きくなっているため、制御設計を理解している事は大きなプラスになります。

もうひとつには、電気工事士や電気主任技術者などの資格を取得し、機械・設備設置の現地対応やその後のトラブルにも対応できるようになること。技術者として、設計から設置、フォロー対応まで完結できる技術力の高い技術者になれます。

外注管理やマネジメントがメインとなる大手企業の技術者にとっては、幅広い範囲で手が動かせる技術者として。幅広い対応が求められる中小企業にとってはまさにそのスキルがある技術者として、高い評価を得られ、年収向上も期待できます。

電気設計の平均年収と転職時に給料を上げるためにできること

電気設計の平均年収は、約475万円ですが、経験やスキルなどによっても変わってきます。年収が決まる要素としては、事業規模や地域、携わる分野や設計する対象なども関係します。

転職して給料を上げたいと思う場合は、ファーストステップとして、自身の経験やスキルを棚卸し、今後のニーズを理解することが必要です。

電気設計に関係する上位資格を取得しておくのも良い方法です。転職に際しては、年収交渉することも給料アップにつながります。

 

制作協力:オモシゴジャーナル編集部

 

 

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