コラム
組み込みエンジニアの年収・給料はどれくらい?業界の相場や平均金額を解説

制御システムの開発を行う組み込みエンジニアは、IT業界で需要が高い職業ではあるものの、幅広い知識や経験、スキルを必要とするため慢性的な人手不足の状況です。
そんな組み込みエンジニアの給料はどれくらいになるのでしょうか。こちらでは、平均年収や会社の規模、地域などによる収入の違いなどについて見ていきましょう。
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目次
組み込みエンジニアの平均年収は?
組み込みエンジニアの年収は、エンジニアの中でも高額の部類に入ります。
転職サイトdodaの「平均年収ランキング」によれば、「技術系(電気/電子/機械)全体」職種の平均年収は442万円であるのに対し、組み込み/制御設計は465万円となっています。
IoTの需要の高まり
一般的なエンジニアに比べてIoTの需要が高まっている昨今、組み込みエンジニアのスキルを求めている企業が多いこと、そもそも組み込みエンジニアになるために豊富な知識や経験、スキルが必要で慢性的な人材不足に陥っていることなどが原因です。
そのため、比較的若い年代から平均的な年収が高くなっており、20代でも430万円前後、30代で480万円前後、40代以上になると600万円を超える人も増えてきます。また、組み込みエンジニアは扱うことができる言語でも年収が変わっています。
例えば、アセンブラ言語はこの仕事で必須となりますが、C言語やC++、Java等の多様な言語を扱える組み込みエンジニアとなると、若年層でも年収が600万円以上になるケースは珍しくありません。
即戦力には良い条件が提示されることも
既に様々な業界で制御システムの企画や開発に関わっている実績があれば、即戦力になる人材として高額の給料を提示されることも多いです。組み込みエンジニアの求人を探す場合には、経験が浅くても年収400万円、豊富な経験やスキルがあると自他ともに認められる場合には、500~600万円を目安に探してみると良いでしょう。
実績がほとんどない場合でも、プログラムの実装やテストなどの初心者向けの業務の請負からスタートして、経験を積んでいくことで昇給が望めます。
会社の規模でみる年収の違い
勤務する会社の規模で、組み込みエンジニアの年収は変化するのでしょうか。一般的に、エンジニアの生涯年収は、勤務している企業の規模が大きければ昇給率が高くなるため、中小規模の企業に比べて高額になるといわれています。
組み込みエンジニアもこのケースに漏れず、大企業で規模の大きいプロジェクトに関わるようになれば、同年代同業種の人よりも年収が高額になりやすいです。
組み込みエンジニアの年収相場
実際、組み込みエンジニアの募集で提示されている年収を見ると、20代で430~550万円、30代で540~600万円、40代で700~800万円前後といずれも組み込みエンジニアの平均年収を上回っています。
特徴としては、経験年数が浅い内は企業規模でそれほど金額に大きな違いが見られませんが、大企業などは勤続年数や実績による昇給の上昇が目覚ましく、結果的に生涯年収が多くなりやすい構造です。
ただし、企業規模が大きくなると、その分使われる言語や対応しなければならない作業の範囲が広がっていきますので、単純に仕事をするだけでなく、自分のスキルや知識を増やすための努力も必要になるでしょう。
中小企業やフリーランスとして働く選択肢
中小規模の企業でも、ベンチャー企業のように成功報酬にしているところで成果を出せば昇給しやすくなりますし、フリーランスとして独立して、多くの案件を獲得して平均値よりも収入を高くするといったことが可能です。
大企業は年収が高い一方で、求められる能力も高くなりがちです。しかし、中小規模の企業やフリーランスとしても、実績を積んだり、多くの案件を獲得することで、平均値以上の収入を得ることが可能です。そのため、大企業だけでなく、中小規模の企業やフリーランスとして働くことも、将来につながる選択肢の一つです。
地域によって年収は変わる?
では、地域ごとに組み込みエンジニアの年収は大きく変わってくるのでしょうか。
地域による平均年収の違い
組み込みエンジニアに限らず、一般的に関東や関西のように人口密度が高く産業が発展している地域では平均年収が高く、北海道や東北、九州や沖縄と言った都心部から離れたエリアになるほど平均年収は低くなりがちです。実際、職業情報提供サイトのjobtagによれば、組み込みエンジニアの全国平均年収は550万円となっています。
しかし、東京都における組み込みエンジニアの平均年収が約600万円、京都府は約558万円といずれも全国平均を上回っている金額です。
地方都市における平均年収
その一方で、北海道での組み込みエンジニアの平均年収は約465万円、青森県では約400万円と全国平均よりもかなり低くなっています。
大分県は約422万円とやはり平均よりも低いですし、沖縄県に至っては約385万円と400万円を割る金額です。広島県は約559万円、徳島県は約522万円となっているように、全国平均に近い年収のエリアもあります。
地域差の原因とその影響
もちろん、企業規模や業務内容によっても年収に差が生じることは考えられますが、IoT産業が活発な一部の地域を除いては、都心部に近い、または利便性が高い地域ほど年収が高額になりやすく、不便な地方になるほど年収は低くなる傾向が見られます。
これは、ほとんどのエンジニアの仕事がリモートワークでもある程度事足りるのに対し、組み込みエンジニアの業務にハードウェアへのシステムの組み込み、実装テストなどが含まれているため、実際に現場に出向く必要があることも原因の一つと考えられるでしょう。
地方に住んで都心部の業務をリモートワークで行うといった働き方ができず、居住地付近の企業で働くケースが多いため、その地域の年収相場の影響を受けやすくなります。
年収をアップさせる方法
組み込みエンジニアの年収は、企業の規模や年齢、地域によっても差が生じますが、同じ条件下で年収をアップさせる方法がないわけではありません。
有用なスキルを持ち、即戦力になる組み込みエンジニアは企業にとって希少な人材ですので、平均的な相場よりも高額の年収や好待遇を提示されることが多いです。
マルチリンガルなエンジニアになる
企業側から求められる人材になるためには、まず複数の開発言語をマスターしましょう。開発環境によって求められる言語が異なりますので、多くの言語を扱える人材ならば大企業の業務にも対応できます。特にC言語やJavaは需要が高いため、転職活動の自己アピールに有効です。
最新テクノロジーの習得と資格取得
言語だけでなく人工知能やIoT関連の知識を身につけておくのもおすすめです。加えて、客観的に自分の能力を示すためにもIT関連の資格を取得しておくと良いでしょう。ETECや基本情報技術者試験などは、求人で取得必須になっていることもあります。
業績のアピール
また、エンジニアの求人では経験や実績を重視されることが少なくありません。現在の職場で自分の能力に合った業務をどんどんこなして、転職活動で業績をアピールすることも大切です。
組み込みエンジニアの転職市場
人手不足の状況から、プログラマーレベル、マネージャーレベルいずれの採用ニーズも非常に活況ですが、年齢が上がるほど採用側からは上流工程、マネジメントの経験が求められる傾向があります。
メーカー系であれば、新規開発をリードしたり、マネージャー役として重宝され、受託開発、SES系であれば会社として上流案件獲得のための必要人材とされます。
マネジメント志向ではなくプレーヤー志向の方であれば、得意な技術用途を徹底して磨き、その領域のスペシャリストとなれば転職先も見つかり、且つ年収も上げていくことができるでしょう。
但し、プレーヤー志向の場合、若手、中堅、シニアとライバルが非常に多くなります。
一般的に若手はよく手が動き、最新技術に対する吸収力が高いことが強みに。中堅、シニアは様々な技術の引き出し、トラブル対応経験が強みとなります。
現時点の自分の経験年数から、求められる強みを備えているかを客観視することが必要でしょう。
まとめ
このように、組み込みエンジニアの給料は一般的なエンジニアより高額にはなっているものの、求められるスキルや経験に比例しているケースが少なくありません。
また、企業の規模や地域によっても相場が異なるため、自分が希望している条件では、どの程度の年収が平均値になっているのかを確認して、その条件を上回っている企業を探す必要があります。
制作協力:オモシゴジャーナル編集部
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