コラム

制御設計の仕事って本当にきついの? 仕事内容と向いている人の特徴を解説!

身近な生活家電や自動車から工場などの生産設備まで、現代社会においてなくてはならない存在となっているのがこうした機械の数々。それらを適切に動作させるためには、制御設計の仕事が必須です。

ここでは制御設計がきついと言われる理由や向いている人の特徴などについて解説している他、制御設計の仕事を目指すために身に付けるべきスキルについても紹介します。

 

電気設計の業務は広範にわたり、主にハード系を扱う「電気設計」とソフト系を扱う「制御設計」に分けることができます。それぞれ電気・電子分野において重要な分野でどちらも関連性は高いですが、担当する範囲は異なります。

ただし、電気設計と制御設計の両方ができる技術者も存在し、両者が統合的にできることで、より効率的なシステム設計ができるようになります。

この記事では主にソフト系の設計を担う「制御設計」について解説します。

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制御設計の仕事内容

まずは機械を扱う上で必ず必要となる制御技術や実際の制御設計の業務内容などについて解説します。

制御設計とは

現代の生活において、各種家電製品や自動車、工場設備などの機械やコンピューターは欠かせない物となっています。

それらを正常に動作させるために必須となるのが制御設計の仕事です。どれだけ高性能な機械があっても、正しく制御がされていなければ全く役には立ちません。

例えばエアコンが自動的に風量や室温を調整してくれるのは、システムによってそのように制御されているからです。家電製品に限らず、生産の現場では産業用の機械やロボットが活躍していますし、IoT技術の発展によって益々制御設計のニーズは高まっています。

制御設計の業務の流れ

制御設計に限ったことではありませんが、仕事を始めるためにはまず要件を定義する必要があります。制御設計においての要件の定義とは、製品の仕組みや搭載する機能を決定し、人員やスケジュールなどを設定する工程を指します。

その後、要件定義に基づいて仕様の策定と設計を行います。ここで見落としがあると後に仕様の変更が生じ、コストやスケジュールに影響を及ぼすリスクがあるため慎重に検討します。

設計に従ってプログラミング作業を行い、完成後は動作テストを実施。テストの結果不具合が確認されたり、改善点が見つかれば修正して再度テストを行います。問題が確認できなければ製品へと組み込んで最終確認を行い制御設計の仕事は完了となります。

なぜ制御設計の仕事はきついのか?

制御設計の仕事を経験したり実際の業務の内容を知っている人から「制御設計の仕事はきつい」と言われることもあります。ではなぜ、どういった点がきついと言われるのでしょうか。

制御設計の仕事では想定外の状況に対して、臨機応変に対応しなければならない場面も少なくありません。予め想定した環境で動作するように設計しますが、完全に予測するのは難しいのが現実です。実際に運用しても想定通りの結果が得られない場合には、その都度対応が必要となるケースもあり、それがきついと感じる方もいるでしょう。

また、作業の途中でクライアントや他部署から唐突に仕様の変更を求められ、緊急対応を余儀なくされる場面もあります。そういった際に強いストレスを感じることもあるでしょう。

プログラミングの工程でバグが見つかればそれも修正する必要があるなど、急に仕事が増えてしまうことも多いのが制御設計という仕事の特徴です。

仕事のやりがい、向いている人

制御設計では身近な家電製品や自動車から、産業用機械まで幅広い分野の機械やコンピューターを動作させることになります。

自分の携わった機械が生活や生産現場で役立ったり、最新のシステムに触れるのが好きな人はやりがいを感じやすいでしょう。ここからはより具体的に制御設計に向いている人の特徴について解説していきます。

機械が好きな人

制御設計を仕事にする場合には常に様々な機械に触れ続けることになります。そのため、「機械自体が好きである」というのは制御設計エンジニアに向いた素養であると言えます。

制御設計を行う人間が実際に機械を製造することはありませんが、制御システムの設計や開発を行うためには、機械に関する深い知識が必要とされます。

機械に興味がなければそうした知識を得る工程を苦痛に感じるかもしれませんが、元々機械が好きであればポジティブな気持ちで作業ができます。

制御設計の仕事では最新の機械や設備、新製品の開発に携わる機会も少なくありません。その点を魅力的に感じるのであれば、優秀な制御設計者として活躍できる可能性があります。

地味な作業が得意な人

制御設計の業務では仕様の策定からプログラミング、動作テストなどを行いますが、いずれの工程も細かい作業を地道にこなしていくことになります。

そうした地味な作業をコツコツと進めるのが苦にならない人は制御設計の適性があると言えます。特に仕様を設計する段階でミスがあると、後々まで響いてスケジュールが伸びたりコストが増大する可能性があります。

細かい点まで見逃さずに地味な細かい作業でも妥協せずに続けられる人材は制御設計の分野でも重宝されます。

学習意欲が旺盛な人

制御設計は専門性が高く変化の激しい業界であり、最新の技術が必要となる場面も多いです。長く制御設計者として活躍し続けるためには、常に新しい技術や知識を学び続ける姿勢が必要となります。

制御設計の仕事は幅広い分野で需要があるためそれらのニーズに対応するには、時には専門以外のスキルや知識を身に付ける必要が生じます。旺盛な学習意欲を持つ人や、自身のスキルアップに積極的な人はそうした際に有利でしょう。

コミュニケーション能力が高い人

制御設計は主にソフトウェア方面のエンジニアリングを行う仕事です。ただ、実際の製品の開発ではハードウェア方面を担う機械設計や電気回路設計など、他分野の技術者と連携して取り組むケースも多数存在します。

そうした場面で求められるのがチームワークやコミュニケーション能力です。また、案件によっては社内の他部署やクライアントと密接にやり取りしながらプロジェクトを進める必要もあります。

クライアントの要望を正しく引き出せないと、要件の定義や仕様の策定で実際の需要とズレが生じて満足の行く結果が得られない可能性もあります。制御設計の仕事でも他の分野と同じく、コミュニケーション能力はなくてはならないスキルです。

活かせる経験や求められるスキル

制御設計の仕事を目指す上で役立つ経験やスキルについて解説しています。

プログラミングスキル

制御設計の主な仕事の一つはPLCを始めとする制御用コントローラーを用いたプログラミングです。そのため制御設計の業務では基本的なプログラミングスキルは必須となります。

【主なプログラミング言語】

国際電気標準会議(IEC)が定める世界共通の標準規格として、次の5つがあります。

  • IL(インストラクション・リスト)
  • LD(ラダー・ダイアグラム)
  • FBD(ファンクション・ブロック・ダイアグラム)
  • ST(ストラクチャ―ド・テキスト)
  • SFC(シーケンシャル・ファンクション・チャート)

今でも最もよく使われているのがLDで、通称”ラダー言語”と呼ばれています。

電子工学などの専門的知識

電子工学や力学、回路設計などの専門的な知識も、制御設計の仕事を続ける上で必要となります。大学や専門学校で予めこれらの学問を学んだ経験のある人は、実務でも有利に働きます。ただ、より深い知識を得るために常に学習を続ける姿勢が重要です。

論理的思考力

制御設計の仕事では様々な情報を即座に理解し、論理的思考によって最適な答えを導き出す能力が重視されます。幅広い分野の知識やスキルを活用する必要のある制御設計では論理的思考力の有無が、仕事の評価を決める重要なファクターとなります。

また、必要な情報を効率よくやり取りするコミュニケーション能力も大切です。場合によっては語学力が求められるケースも存在するので、求人に応募する際には事前に確認しておくのが無難です。

技術者が転職を成功させるためのポイント

制御設計技術者が転職を考える場合、どういうモノづくりに携われるかで仕事の楽しさ、やりがいが変わってきます。まずそこを考えましょう。

制御設計の基本的な原理は同じでも、「家電製品」「自動車」「FA」「BA」「インフラ(上下水道、発電など)」など、製品領域ごとに重視される自動制御の種類、制御対象、目標値も変わってきます。技術者それぞれの拘りや好みも分かれてきますので、事前によく理解したいところです。

また、制御設計技術者に限りませんが、職場にどういう人たちがいるかも考慮したい点です。

業務で色々なストレスがかかる中、一緒に働く人と良い関係が築けているかは、長続きするか否かに影響します。会社ごとに職場の雰囲気、人の気質もかわってきます。

面接の場で、面接官に職場雰囲気について質問をしたり、エージェント経由の応募であればエージェントにその点の情報収集をしていくとよいでしょう。

今後も需要が拡大していくことが予想される制御設計の仕事

制御設計は機械が運用されている限り無くなることのない仕事です。それに加えて近年はIoT技術の普及により、益々制御設計のニーズは拡大しています。

この流れは今後もしばらくは続くことが予測されるため、制御設計の仕事は将来性があると言えるでしょう。

最新の技術やスキルを学び続けるのが苦にならない人や、自分の仕事が人の役に立っているのを実感するのが好きな人にはやりがいを感じやすいのではないでしょうか。

 

制作協力:オモシゴジャーナル編集部

 

 

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