コラム
生産技術者に資格は必要?おすすめの資格・検定を紹介

生産技術者とは、製品の生産過程において効率や品質の向上を目的とする職種であり、ものづくりの根幹を支える、やりがいのある職種です。
生産技術者の仕事は非常に多岐にわたります。生産技術者としてスキルアップしたいのであれば、工学の専門知識のほかに、業務に関わる資格も持っておきたいところです。
この記事では、生産技術者におすすめの資格や検定をご紹介します。
目次
生産技術で必要とされる資格とは?
生産技術の目的は、高品質な製品を効率的に生産するラインを構築するだけではありません。完成した生産ラインを滞りなく運用するための管理能力も必要になります。
求められる能力
生産技術者として働く際は、業務に関係する資格があると有利です。生産技術者の仕事内容は幅広く、さまざまな技能が求められます。
工場の生産ラインを構築するためには、現場の作業員とのやり取りが必須です。
製品を作る際も開発部門との連携が欠かせません。よって、生産技術者には高いコミュニケーション能力が必要とされます。
世代性別を問わず良好な人間関係を築ける人は、生産技術者として活躍できる可能性が高いです。生産技術の仕事を進める過程では、さまざまな課題が発生することが考えられます。
現場の人間と開発部門の人間とで意見が衝突することもあるでしょう。生産技術者は、それぞれの異なる立場の人達の意見をすべて聞く必要があります。
ただ意見を聞くだけではなく、全員が納得して仕事ができるように折り合いをつけなければなりません。
多くの人を納得させるアイディアを生む発想力や、折り合いをつけるための交渉力も必要です。生産技術者は、能動的な行動が求められる職種です。
生産体制をより効率化するためには、課題を自ら発見する姿勢が必要になります。
必要とされる資格
生産技術者に求められる資格はさまざまです。
また、自身がどの業務を担当するのかによって求められる能力は変わります。
情報処理技術者など、生産技術者への転職やスキルアップに有用な資格はいくつかあります。
生産技術者は、実務経験が重視される傾向が強いです。
経験者が重宝される傾向がありますが、未経験者でも就職することはできます。
未経験から生産技術者への転職を考えている場合は、実務で役に立つ資格を有していることに加えて、コミュニケーション能力や発想力などもアピールしていきましょう。
生産技術者としての基本スキルを証明できるおすすめの資格
生産技術者として活躍するための基本スキルとして所有しておきたい資格があります。
マイクロソフトオフィススペシャリスト
マイクロソフトオフィススペシャリストは、WordやExcelなどのオフィスソフトに関する知識を証明する民間資格となります。
生産技術職において、WordやExcelは必須です。
問題なくオフィスソフトを使えることを証明できるのは、生産技術職への転職時などにメリットになるでしょう。
マイクロソフトオフィススペシャリストの一般レベルでは、通常使用する上で必要最低限の操作方法が出題されます。
パソコンに慣れている人であれば、独学でも取得を目指せる難易度です。
ただし、パソコンが苦手な場合など人によっては難易度が高いと感じる可能性があります。
通信教育を利用するなど、自分に合った勉強方法で合格を目指しましょう。
生産技術者マネジメントスキル認定資格
生産技術者マネジメントスキル認定資格も、生産技術者が取得しておきたい資格の1つです。
生産技術者マネジメントスキル認定資格とは、生産技術のプロフェッショナルであることを証明する資格となります。
生産技術者は、生産プロセスの設計と改善、工場の維持と改善が主な業務範囲です。
商品の企画や開発業務の後工程、製造や物流業務の前工程となる非常に幅広い範囲が対象になります。
生産技術マネジメントとは、これらの業務の各工程を上手く連携させて、優れた製品を供給できるようにプロセスを上手く管理することです。
生産技術者マネジメントスキル認定資格の種類
生産技術者マネジメントスキル認定資格には、A級とB級の2種類あります。
生産プロセスなどの実務の知識や、開発設計部門との連携についてなどが出題範囲となります。
A級とB級のどちらもコンピュータ操作による試験です。
B級は誰でも受験可能ですが、A級の受験には生産技術者マネジメント資格の習得が必要になります。
試験結果は当日に発表され、いつでも再試験可能です。
生産技術者として5年以上の実務を経験している人を想定した試験で、B級の合格率は40%から50%、A級の合格率は50%から70%となっています。
生産技術者マネジメントスキル認定資格は、広い視野を持つ人材を作り上げたいなどの理由で、自社の社員に取得を推奨している企業もある資格です。
生産技術者としての基本スキルを証明するために最適の資格なので、この機会に取得を目指してみるのもおすすめです。
生産技術者への転職やスキルアップにおすすめの資格
年収をアップさせるには転職を視野に入れつつ、自分に合う働き方をできるように研鑽を積むのが大切です。
具体的にどのような方法で年収を上げられるかを確認しておきましょう。
TOEIC
TOEICは、英語によるコミュニケーションやビジネス能力を検定する試験です。
生産技術以外にもさまざまな職種で必要とされる資格でもあります。
生産技術者は人と関わる機会が多い職種です。
海外との接点が多い職種でもあるので、英語力は大きな武器になります。
TOEICは990点で満点です。
ビジネス英語に対応するためには、750点前後を目指すとよいでしょう。
TOEICで高得点を取るのは容易なことではありませんが、高得点を取れれば国内はもちろん、海外で活躍する際にも役に立ちます。
将来海外で生産技術者として働きたいと考えている人にも、TOEICの受験はおすすめです。
情報処理技術者
情報処理技術者は、経済産業大臣が実施している国家資格です。
IT業務に携わる全ての人の知識向上を目的とした資格になります。
試験は4段階用意されており、全部で12個の試験区分が用意されています。
区分によって難易度が異なり、基本情報技術者試験やITストラテジスト試験などは難易度が高いです。
取得できれば高度なIT人材であることを証明できるので、スキルアップや転職時に大いに役に立つでしょう。
独学での取得も目指せますが、試験区分が多いので参考書などの費用がかさむ可能性があります。
情報処理技術者は、通信講座でも人気の資格です。効率的に取得を目指すのであれば、通信教育の利用を検討してみましょう。
CAD利用技術者
CAD利用技術者も、生産技術者におすすめの資格です。
CADとは、パソコンを使った図面作成のことを指します。
試験は、二次元CAD利用技術者と三次元CAD利用技術者の2種類が存在します。
2023年現在、三次元CADを導入する企業が増えてるので、三次元CAD利用技術者の取得を目指すのがおすすめです。
ただし、二次元CADを利用し続けている企業もまだまだたくさんあります。
どちらの資格も、生産技術者の転職やスキルアップに役に立つでしょう。
CAD利用技術者の公式ホームページには、サンプル問題が掲載されています。
試験対策になりますので、受験を検討している人はチェックしてみましょう。
ほかには、公式ガイドブックやCAD試験対策コンテンツの購入が試験対策として挙げられます。
資格があれば転職に有利?企業が求める人材像
英語力については、特に大手企業では管理職の昇進要件に入れる所が増えています。
海外工場への出張、海外顧客との技術的な会話、グローバルでのミーティングなど、通訳がついていたとしても、通訳を介さず直接折衝が出来るほうがビジネスは進めやすくなり、顧客、社内の信頼も得られます。
自身で図面やドキュメントを作成する事が多い場合、MOSやCAD資格を取得していれば実務に強くなるので、その点で有利になるでしょう。
また、近年ではIoT化を推進しており、ハード系エンジニアについてもソフトウェア、ITの知識が求められています。
生産技術は自社設備のIoT化推進の要になります。
情報系の資格や知識を取得することで、IoT推進をする上で知識の引き出しを広げ、キャリアアップに寄与するでしょう。
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資格を取得してキャリアアップを目指しましょう
生産技術者として活躍したい場合は、まずはマイクロソフトオフィススペシャリストや、生産技術者マネジメントスキル認定資格の取得を目指しましょう。
資格の取得と同時に、コミュニケーション能力や柔軟な発想力などを鍛えることも大切になります。
転職やスキルアップを目指している場合は、情報処理技術者やCAD利用技術者など専門的な知識を証明する資格の取得がおすすめです。
制作協力:オモシゴジャーナル編集部
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