コラム

機械設計者に資格は必要?おすすめの資格・検定を紹介

転職を考えている技術職の方の中には、機械設計の仕事に興味を持っている人もいるのではないでしょうか。

機械設計の仕事に転職するためには、特別な資格を取得する必要があるのか、詳しいことを知りたい人もいることでしょう。

また、すでに機械設計の仕事に就いているがスキルアップのために資格の勉強を始めようと考えている人もいるでしょう。

そこでここでは、このような人のために、機械設計の仕事に必要な資格についてご紹介します。

 


機械設計に資格は必要?

機械設計のことを詳しく知らない人は、この仕事をするために特別な資格が必要だと考えているかもしれません。

ですが実際には、機械設計の仕事は特別な資格を取得しなくてもすることはできます。

機械設計の仕事をしている人の中には特別な資格を持っていない人も少なくないので、資格を持っていない人でも機械設計の仕事に転職することは可能です。

ただ、機械設計に関係する資格を取得していれば、転職をする時に仕事が探しやすくなります。

資格を取得しておけば特別な知識や技術を持っていることを証明できるので、求職先の担当者から興味を持ってもらえることもあります。

もちろん機械設計に関する資格を持っていても実際に仕事をしたことがなければ、高く評価されないことも多いので、資格を持っていても必ず転職が有利になるとは限りません。

転職を目的として資格を取得することにあまり意味がなくても、仕事をしっかりとできるようスキルアップを目指し資格を取ることには大きな意味があります。

資格を取得するための勉強をしながら、機械設計に関する知識をより深く学ぶことも可能です。

機械設計の資格を取得するために勉強を始める場合には、明確な目標を持って勉強に取り組むことが重要です。

資格の勉強で学んだ知識を、実際の仕事でどのように活用できるか想定しながら学習を進めれば、将来のために役立つ知識が習得できるでしょう。

基本スキルとしておすすめの資格

これから機械設計の仕事に転職したいと考えている人は、まず機械設計の基本的な技術を学べる資格の取得がおすすめです。

基本スキルを勉強できる資格は難易度もそれほど高くなく、これから本格的に機械設計を学びたい人でも勉強しやすくなっています。

ここでは、基本スキルを学ぶために役立つ資格について、いくつかご紹介します。

2次元CAD利用技術者試験基礎

機械設計の仕事に転職したい人が、基本スキルを学ぶために取得しておくと役立つひとつにCAD利用技術者試験があります。

CADは機械設計をするために欠かせないソフトであり、基本的な操作方法を知っておくことは、機械設計の仕事をするために欠かせません。

CAD利用技術者試験には2種類あり、初心者でも取り組みやすいのは2次元CAD利用技術者試験です。

この試験では、2次元のレベルでCADを操作するために必要な知識を持っているかどうかが問われます。

さらに2次元CAD利用技術者試験は複数の級に分かれていて、初心者が取得しやすいのは、「2次元CAD利用技術者試験基礎」です。

この試験は2次元CAD利用技術者試験の中でも一番内容が簡単な試験なので、2次元のCADに関する基礎的な知識を学びたい人には最適です。

2次元CAD利用技術者試験基礎は、これから本格的にCADを学習したい人を対象にしています。

学習期間は人によって異なりますが、基本的なCADソフトウェアの操作や図面作成の方法を学ぶためには、通常数週間から2〜3カ月程度で受験できます。

“これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3ヶ月程度の就学者を想定して試験を行います。2級および1級へのステップアップとしてだけではなく、将来、設計や製図、CADシステムの販売等の業務を目指す方が対象です。
一般社団法人コンピュータ教育振興協会  ”

将来的に2次元CAD利用技術者試験の2級や1級を取得することを目標にしている人も、まずこの資格を取得して基礎力を身につけることが可能です。

特別な受験資格がないこともこの試験が初心者におすすめできる理由です。

受験料は税込み4400円で、50問の筆記試験が出題され、試験時間は50分。合格基準は正答率70パーセント以上です。

この試験の合格率は77パーセント程度なので、一生懸命勉強すれば多くの人に合格できるチャンスがあります。

3次元CAD利用技術者試験2級

機械設計の仕事に転職したい初心者におすすめできるもう一つの資格は、3次元CAD利用技術者試験です。

機械設計の仕事をするためには、2次元だけでなく、3次元のレベルでCADを利用できる知識も必要なので、初心者が基本スキルを勉強するためには最適な資格です。

3次元CAD利用技術者試験は1級・準1級・2級の3種類があり、この中で初心者でも受験しやすいのは2級です。

準1級や1級のように、受験するための特別な資格が必要でないことも、この資格が初心者におすすめのポイントです。

今後、3次元CAD利用技術者試験の準1級や1級の資格取得を目指している人にもおすすめできる資格で、2級の資格がなければ準1級以上の試験は受験できません。

3次元CAD利用技術者試験2級は、3次元のCADシステムを使用して機械設計の仕事をしたい人を対象にしている試験です。

受験料は税込み7700円で、3次元CAD利用技術者試験の中でも最も安い受験料となっています。

2級の試験で出題されるのは筆記試験だけなので、実務経験がない人でも取り組みやすい資格です。

試験の制限時間は60分で、合計60問が出題。合格基準は、各分野の正答率が50パーセント以上、全体の正答率が70パーセントです。

この試験の合格率は58パーセント程度なので、合格するためには試験前に十分な勉強が必要と言えるでしょう。

転職・スキルアップにおすすめの資格

機械設計の仕事に関する基本的なスキルをマスターした人は、さらなるスキルアップのためにより高度な資格を取得することも可能です。

こうした資格を取得すれば、条件の良い仕事へのキャリアアップも見えてきます。

ここでは、転職・スキルアップにおすすめの資格を2つご紹介します。

技術士(機械部門)

機械設計のスキルアップをしたい人におすすめなのは技術士の資格です。

技術資格は国家資格の一つで、全部で21種類の部門があります。この中で機械設計の仕事をしている人を対象にしているのは、機械部門の技術士。機械設計に関する専門的な知識や技術がなければこの試験に合格することはできないので、スキルアップを目指している人にはやりがいのある資格です。

この資格を取得するためには第一次試験と第二次試験の両方に合格することが必要ですが、第一次試験は誰でも受験することが可能です。

第一次試験に合格すればすぐに第二次試験を受験できるわけではなく、試験に合格した後に少なくとも、4年を超える期間の実務経験が必要になります。

上記の受験資格を得た人が第二次試験に合格すれば、機械部門の技術士の資格を取得できます。

機械設計技術者

機械設計技術者も、スキルアップを目指している機械設計の技術者におすすめの資格です。

この試験は、一般社団法人の日本機械設計工業会が主催しています。

機械設計の技術者の能力を認定することを目的に開催されている試験です。

試験は1級・2級・3級の3種類があり、初めてこの試験を受験する人におすすめなのは3級の試験です。

3級は特別な受験資格は必要なく、機械設計の実務経験が全くない人でも受験することができます。

3級の試験で問われるのは、機械設計の仕事をサポートするために必要な技術や知識です。製図に関する知識も出題されます。

機械設計技術者3級の受験料は税込み8800円。試験は第1時限と第2時限があり、それぞれ制限時間は2時間です。

どちらの試験も全ての問題がマークシート形式で出題され、機械力学や機械製図など、機械設計に関する基礎的な知識が試験の出題範囲です。

資格があれば転職に有利?企業が求める人材像

他の多くの職種でも同じことが言えると思いますが、機械設計者の転職は、どのような業態で設計をしてきたか?どの工程をやってきたか?にかかってきます。

業態で言えば、開発型(新しい製品を企画、開発する)、請負型(顧客からの依頼に基づいたオーダーメイド型)、受託型(製図などの設計業務を請け負う)。工程では、企画・見積基本設計・詳細設計・組図/部品図作成・試作・テストなど。

また工程の経験は、実際に自分で手を動かしていたのか、外注や協力会社に依頼し管理メインでしていたのかがポイントになります。資格があれば転職活動でアピールになるかならないかで言えば、実務経験を積んでいることを前提として、まず職務経歴書に上記の「業態」「工程」を分かりやすく記載することがアピールとして重要です。

一方、資格はそれを取得することで、どの程度のスキル、知識があるかを図る分かりやすい目安となります。

採用側の視点で見ると、例えば機械設計技術者であれば、

  • 機械設計技術者1級
    「お、基本設計はできそうかな」
  • 機械設計技術者2級
    「まあ、詳細設計以降は大丈夫かな」
  • 機械設計技術者3級
    「あー、まあ組図位からかな(学生でも取れる級だよな)」

などの見立てができ、その分アピールがしやすくなるのは間違いありません。

何より、多くの資格は実務経験の年数が受験資格の一つとなり、体系だった勉強をきちんとしておかないと取れないものです。

単純に転職におけるアピール目的ではなく、専門職としてスキルアップをするためにも、実務に関連する資格取得は取り組まれた方がよいでしょう。

実際、資格を持っていると、関連の実務をやってきた人、体系だった知識をきちんと勉強をしてきた人、として評価は得やすくなります。

 

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機械設計の仕事をしたい人が取得すれば役立つ資格

機械設計の仕事に転職を希望している人は、機械設計に関する資格を取得すれば仕事のために必要な基礎知識を学習できます。

機械設計の仕事をするために必須のCADの操作に関する知識も試験勉強をしながら学べます。

もちろん、知識や資格だけを増やして実務に活かせなければキャリアアップには繋がりづらく、資格の勉強をする時には試験のために知識を覚えるだけでなく、仕事に活用することを意識して学習を進めることで、必要な知識が身につきやすくなるでしょう。

制作協力:オモシゴジャーナル編集部

 

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