コラム

【製造業】装置の制御に欠かせないPLC!おすすめメーカーをご紹介

工場で使われている機械から、私たちが生活で使っている家電まで、幅広い電子機器の制御に用いられているのがPLCです。機械を制御する手段はplc以外にもありますが、中でもplcは応用性の面で優れているのがメリットです。

そんなplcを導入したいけれども選択肢が多くて悩んでいる人もいるでしょう。そこでここでは、plcの選び方のポイントや、おすすめのPLCメーカーについて解説します。

 


PLCって何?

PLCとはProgrammable Logic Controllerの頭文字を取った言葉であり、様々な機械や装置の制御を行うものです。PLCはシーケンス制御と言って決められた一連の流れを繰り返す仕組みを実現するのに適した制御技術を採用しているのが特徴。そのため、大量生産を行う工場の自動生産装置や家電などに採用されています。

PLCを導入するメリットには、装置の制御部分を小型化しやすい点と回路の設計を容易にできる点が挙げられます。PLCはプログラムをソフトウェアで管理できます。従来のリレー回路では特に仕組みが複雑な制御を行いたい場合、制御盤が大きくなって場所を使ってしまうのがデメリットでした。

そこでPLCでは制御プログラム部分を外部のソフトウェアで管理することで小型化を実現しています。また、PLCは制御部分をソフトウェアで管理しているので、制御装置の仕組みのアップデートもソフトウェア側で行えば良いだけ。従来のリレー回路などでは回路を組み直す必要がありましたが、PLCではその必要がありません。このように省スペース・業務効率化の面でPLCは便利と言えます。

PLCを構成する要素は主に電源装置・入力装置・出力装置・記憶装置・演算装置の5つです。そしてCPUは記憶装置と演算装置の2つで構成されます。この構成を見るとPLCはコンピュータそのものに近い構造でできあがっているものとわかるでしょう。そしてこれらのハードウェアにPLCの一連の動作を制御するソフトウェアが加わります。

PLCにおいてこれらがどのように動いているのかと言うと、入力装置から指示を受けて記憶装置がその内容を記憶、演算装置が記憶装置から情報を取り出してソフトウェアに組み込まれているプログラムをもとに演算を行い、記憶装置に内容を戻して、そこから出力装置へ指示を出します。

エレベーターを例に考えてみましょう。私たちがエレベーターに乗ったら行きたい階のボタンを押すことでエレベーターはその階に向かいます。そしてエレベーターに乗る際、乗る人は自分だけとは限りません。複数の人が複数の階を指定することもあります。この場面において、まずエレベーターのボタンが入力装置、エレベーターの箱そのものが入力装置の指示のもとに動く出力装置とわかるでしょう。

そしてエレベーターがボタンを押した階に止まる仕組みは、エレベーターに人が乗ってボタンを押す度に押した階の情報がCPUに送られ、CPUにて押された階の数字が並べ替えられます。この仕組みによって、例えば1階でエレベーターに乗った人が6階と8階、途中から乗ってきた人が7階を押したとしても、6階・7階・8階という順番にエレベーターが止まるのです。

PLCを選ぶポイントとは

PLCは様々なメーカーから発売されています。種類が多すぎてどれを選べば良いか悩んでしまうこともあるでしょう。それではPLCを選ぶポイントについて解説します。

PLCの種類

PLCには主にパッケージ型・ビルディングブロック型の2種類があります。まずパッケージ型とは必要なものが一通りセットになって売られているタイプのものを言います。パッケージ型は比較的安価かつ必要なものが揃っていて手軽に導入できる点がメリットです。オプションも用意されており、追加で必要な機能があるならある程度はオプションでカバーできます。ただオプションの種類には限りがあり、他の種類と比較するとカスタマイズ性の面で融通が利きにくいです。そのためパッケージ型は小規模な装置で導入されやすい傾向にあります。

次にビルディングブロック型は目的に応じてPLCのパーツを組み合わせて作るオーダーメイド寄りの種類を言います。カスタマイズ性の面で優れており、大規模で複雑な動きが求められる装置に採用されることが多いです。ただ、オーダーメイドなのでその分価格は高くなります。それにパーツの相性などもあるので、ビルディングブロック型を採用する場合はPLCについて専門的な知識も必要です。

PLC言語の種類

PLCはプログラムを用いて装置の制御を行います。このプログラミング言語をPLC言語と言い、導入するPLCの種類やPLCに求める動作に合わせて言語を選ぶ必要があります。PLC言語の種類は主にIL・LD・ST・FBD・SFCの5種類。その他にC言語やVASICなど組み込み系のプログラミング言語が選ばれることもあります。

開発者がいるかどうか

PLCは開発ができる人材がいないと使いこなせません。そのため、自社にいるPLCの知識を持ったエンジニアがどのメーカーのPLCを使った経験があるのか、取引先が得意としているPLCのメーカーはどこかを考慮したうえでメーカーを選ぶことも大切です。やはりシェア率の高いPLCを選んでおけば不具合が発生した際にトラブル対応が早いでしょう。

PLCのおすすめメーカー3選

PLCは様々なメーカーから発売されています。選択肢が多すぎるせいでどのメーカーを選べば良いか悩む人もいるでしょう。それでは、おすすめのPLCメーカーを紹介します。

三菱電機

三菱電機は数あるPLCメーカーの中でもトップクラスのシェアを誇ります。シーケンサーとPLCの違いがよくわからないと思っている人もいるでしょうが、シーケンサーとは三菱電機が商標を取得しているPLCの名称です。シェア率が高い分、使いこなせるエンジニアの数も多いので導入もしやすいでしょう。また需要が高いことからバリエーションが豊富なのも三菱電機のPLCの魅力です。幅広い用途に使えることから、とりあえず三菱電機を選ぶ人も少なくありません。

キーエンス

三菱電機に次いで高いPLCのシェアを獲得しているのがキーエンスです。処理速度の速さがキーエンスのPLCの強みであり、研究や開発など高度な処理が必要な場面で採用されています。三菱電機とのPLCと互換性があることから、部分的に使うことも可能です。

オムロン

オムロンのPLCはC言語をはじめプログラミング言語で制御ができるのが強みです。C言語といえば組み込み系開発でよく使われている言語です。IoT開発などの現場においてソフトウェア開発と同じ言語で開発を行える点は便利でしょう。PLC言語はPLC独自の文法などがあることから、使いこなせるエンジニアの数が限られるのが難点。そこでプログラミング言語でも操作できるPLCなら、ソフトウェア開発の経験しかない人でもすぐに使いこなせるようになります。

PLCを扱う仕事・求人

PLCのプログラミングスキルは、本職である制御設計技術者の必須スキル、機械設計者のサブスキルとして求められている事は勿論ですが、サービスエンジニアやメンテナンス職でもニーズが高くなっています。

今の機械、装置は様々な制御機器が使われており、メンテナンスやトラブル対応においても制御機器をみることが求められているからです。

一からプログラムを組むというレベルでなくても、既存のものを修正してトラブル解消ができるスキルがあると、キャリアの幅が大きく広がり、年収UPにもつながります。

サービスエンジニア職は、過酷な就労環境の会社もまだまだ多いため、転職でエンジニア側が良い就労条件の会社を選べるようにするためにも、早いうちから制御のスキルを身につけておくと良いでしょう。

PLCで機械制御を手軽に行おう!

PLCはソフトウェアで制御を行うことで制御盤を小型化できるなどのメリットがあり、シーケンス制御が求められる工場の生産装置などに使われています。PLCは様々なメーカーが開発しており、メーカーによって強みが異なります。そのため、各メーカーのPLCの特徴・強み・弱みを比較し、自社で生産している製品に適したPLCを選んでください。

制作協力:オモシゴジャーナル編集部

 

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